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囲われ中です。(仕事に行かせて~。)

最初の部屋から美形年下武人殿下の

部屋に移動となりました。


家に帰してください。


「気持ちいいな、案外。」

オズワルト殿下が私の二の腕をプニプニしながら言った。


「すみませんね、折れるように細くなくて。」

ええ、私がいきおくれなのは今流行りの華奢な体型じゃないからです。


いいもん、仕事があるもん。


「いや、抱き枕は柔らかい方が良い、骨ばかりではつまらん。」

美形年下武人殿下はそういって

今度は胸に顔を寄せた。


ベッド上で完璧に抱き込まれてます。


好きじゃ無いんでしょう?


抱き枕にしないでよ。


「私の事好きじゃないくせに。」

私が呟くと美形年下武人殿下が見つめていた。

「ぞんざいに扱うつもりはない、最初に言った可愛がってやるは本気だ。」

美形年下武人殿下がそういってもっと抱き込んだ。


「国のための癖に。」

私は美形年下武人殿下の腕の中で呟いた。


「国がなければ民が路頭に迷う、案外、根にもってるな。」

美形年下武人殿下はそう言いながら

私の背中を撫でた。

「いきおくれだってプライドがあるんだからね。」

うん、仕事だってしてるんだから。


「少女のようだった母上は成人したてで、年若い父上に嫁いだ。」

美形年下武人殿下が言った。

「だからなんですか?」

私に関係ないじゃない。


「母上は父上に恋していた、父上には他に心に決めた人がいた…母上は故国の方針の為に泣く泣く離婚した…父上は淡々とされていたが…いきおくれなら、よく、世の中見てきただろう?自分の義務をかんがえろ。」

美形年下武人殿下はそう言いながらこんどは額に口づけた。


ますますわからないんですが?

義務ってなにさ。


「私の義務はこの国の平和を守ることだ。」

そう、美形年下武人殿下は強い目で言った。


そうか、だから、国のために結婚するんだ。

私を巻き込まないでよ~。



「しかし、セツラ嬢ちゃんとこんなところで会えるとはね。」

カササダ竜騎兵団の副団長アーウィング・ササルアおじさんが言った。


よく、イアスダスの方にも来てたよ。

じいちゃんの食べ友らしい。

格好いいと屋敷の女の子たちが騒いでた。

まあ、おっさんなんだけどさ。


「見るな、へる。」

美形年下武人殿下が面白いことを言った。

「詰所に連れてきてそれはないでしょう?」

アーウィングおじさんは言った。


ここはカササダ竜騎兵団の詰所らしい。

簡素の大きい建物の中はたしかに騎兵らしき人がそこここにいて様子をうかがっている。


「陛下の最愛の人を略奪したって言う、噂がたってますよ。」

知的な眼鏡の青年が言った。

事務官のヤヒコ・ウスアさんだ。


この人はアーウィングおじさんが度々連れてきてたな。

確か年上だよね。


「元々、私の許嫁だが?」

美形年下武人殿下が隣に座った私の手を撫でながら言った。

「陛下のご不興をかわないでください、予算減らされたらどうするんですか?」

ヤヒコさんため息をついた。

「父上は公私混同はせん。」

美形年下武人殿下が言った。


「そうですか?」

ヤヒコさんが不安そうに言った。


「まったく、手放す気はないわけか…。」

アーウィングおじさんが言った。

「ああ、そうだ、それよりオレゼアヒとの国境地帯はどうだ?」

美形年下武人殿下が言った。

「変わらないな、いつも通りの心地よい緊張感らしいです。」

アーウィングおじさんが言った。


オレゼアヒ魔法国は前王妃様の故国だよね。


「背後のチエアイス武王国はまったく、動きを見せず不気味だしな。」

美形年下武人殿下が言った。


チエアイス武王国はここ5~6年で勢力を伸ばしてきた国なんだよね。

周辺各国を武力制圧したり、交渉で取り込んだりしてるらしい。


「国王陛下がオーレウス帝国の皇女殿下と婚姻したら…それはそれで問題がある気もしますが…。」

ヤヒコさんが言った。

「…仕方あるまい、オーレウス帝国の影響力は大きい、勇者オーダウエの子孫というだけで抑制力になる。」

美形年下武人殿下が言った。


まあ、色々とあるらしい。


その時、通信機がなった。


「おい、通信機はマナーモードにしておけ。」

アーウィングおじさんが言った。


「すみません。」

私のだよー、ああ、カラさんからメールだ。

「セツラ嬢ちゃんのか、脅してすまん。」

アーウィングおじさんが言った。


『セツラちゃん、直売所の場所オッケー出たよ。』

確保してくれたんだ!

『ありがとう☆あとは契約だよね。』

私は返信した。

『一緒にいくからね。』

カラさんからすぐ返信が来た。

『どうやって抜け出そうかな…。』

多分美形年下武人殿下が邪魔するよね。

『アサギさんにたのみなよ、オズワルトのシンパだから足止めになるよ。』

カラさんから返信がすぐ来た。

『…そうなんだ、そうしてみるね。』

アサギが美形年下武人殿下が好きならいいよね。


押しつけよう。

私は仕事が出来るしね。


「誰からだ?」

美形年下武人殿下が言った。

「え?友達だよ。」

私は言った。

「そうか…。」

美形年下武人殿下がチェックいれたそうだったけど。

プライバシーの侵害ですよ。


うん、なんか明るい希望が見えてきたよ。

義務で結婚なんてしないもん。

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