食べられそうです。(無事に返してください~。)
ああ、家に帰りたいよ。
なんで、こんなことに。
「セツラは甘いな。」
国王陛下が言った。
晩餐のあと私室に連れ込まれました。
国王陛下は案外ちからつよいです。
さっき、膝の上に抱えられて
頬なめられました。
「やめてください、オーレウス帝国の皇女様の方がいいですよ~。」
私は涙ぐんだ。
「セツラは私を煽るのがうまいな。」
国王陛下がそういって今度は額に口づけた。
煽ってません。
世の中には美人は五万といるのに
なんで平凡な私がこんな目に。
「泣いてるのか?」
国王陛下がそういって今度は涙をなめた。
なんで、そんなことするのさ。
「帰してください。」
もう、嫌だ。
「忘れたのだな、小さかったから。」
国王陛下が妖しい事を言った。
小さい時?なんの話?
「私を撫でてくれた小さい手はこれだ。」
国王陛下が手をもってほおずりした。
撫でた?どう言うこと?
なんか、部屋の外がざわついてる?
「お兄ちゃんと呼んだ口はその唇…。」
国王陛下が私の顎をもって口づけしようとした。
「父上!失礼いたします!」
扉が乱暴に開いて美形年下武人殿下が入ってきた。
なんかヒーローみたいだ。
「オズワルト、取り込み中だ、下がれ。」
国王陛下が言った。
わーん、下がんないでください~。
「許嫁を回収したら下がります。」
美形年下武人殿下がそういって今度は国王陛下から私を肩荷物担ぎに回収した。
なんか違う。
「オズワルト!邪魔するな!」
国王陛下は声をあらげた。
「父上、皆が見ております。」
美形年下武人殿下が言った。
そう言えば見られてます。
「失礼いたします。」
美形年下武人殿下がそのままきびすをかえした。
また、荷物だきだよー。
まあ、助かったけど。
た、助かってなかったりして?
「び、オズワルト殿下、ちょっと苦しいです。」
うん、肩にブランはきつい。
「……父上を煽るな、一人で近づくな。」
美形年下武人殿下が小さい声で言った。
「私だってパスしたかったですよ。」
だってローレン女官さんが許してくれないんだもん。
「カーラアスト兄上にもだ、近づくな。」
美形年下武人殿下が脅すように言った。
カラさんは…困るな…。
「カラさんとは直売所の件で打ち合わせしたいんですが。」
経営とかどんなものがうれるかリサーチとか。
「お前、悪女と呼ばれたいか?あるいは傾国のび、女とか。」
美形年下武人殿下が言った。
傾国の美女とは言えなかったらしい。
悪かったな、平凡で。
「じゃ、イアスダスにこもらせときゃ良かったのに。」
私は呟いた。
「王都デアシルートに直売所とやらを出す予定立ったくせにか?」
美形年下武人殿下が不機嫌そうに言った。
「カラさん、王太子殿下が王都の方がイアスダスの観光につながるからって、物件も紹介してくれて…。」
あれ?お膳立てしてくれたのカラさんだ。
「兄上もぬけめない、さすが知略の王太子と言われる方だ。」
美形年下武人殿下が王宮内の渡り廊下から少し簡素な建物に入って乱暴に扉を閉めて鍵をかけた。
もしかして、ピンチ?
「あのまま、イアスダスに居続けてもいずれ父上がもっと、大々的にお前を強奪しただろう、オーレウス帝国の皇女との縁談でつまってたから余計美しい思い出に固執している。」
美形年下武人殿下が木製の椅子に私を置いた。
もう少し丁寧に座らせてほしいんですが。
「美しい思い出?」
なんだろう?
「兄上も未来の素晴らしい王太子妃候補が沢山いるのに初恋のお前に固執している。」
美形年下武人殿下が言った。
初恋ってさらっと言われたよ。
カラさんの初恋って私?
「まあ、あなたが派手な迎えをしたのは、私があなたの許嫁だから、あの二人と関係ないとアピールしたかったんですね。」
だから荷物抱きかい。
「カササダ竜騎兵団の団長として国が乱れるのは見てられないからな。」
美形年下武人殿下が言った。
私は耳をほじりながら考えた。
つまり、この美形年下武人殿下は私の事嫌いなのかな?
「では、まあ、王都出店は私でなく代理人に任せてイアスダスに帰ります。」
そうすればどっちも忙しいだろうし
追ってはこれないんじゃないかな?
「いや、この際はっきり言おう、あの二人は諦めない、私はお前を野放しにできない、私と許嫁として振る舞え、おそらくお前がフリーの限りあの二人はおってくるだろう。」
美形年下武人殿下が腕を組んでいった。
「つまり、いきおくれの私をオズワスト殿下が引き取ってくださると言うわけですね。」
ちょっとムカつくけどさ。
「……そうだ、一般人と幸せになれると思うなよ、国の平和のためだ。」
美形年下武人殿下が言った。
はあ、そうですか。
私は国のために私の事好きでもない
美形年下武人殿下と結婚するんですね。
絶対なんとかしてやる!
この冷血漢!