王宮に入りました。(連行ですか~?)
わーん、なんでさ、なんで、こんなことに
じいちゃんのバカ。
立派な王宮の竜用の出入り口から下ろされた。
「さて、行こうか?セツラ嬢。」
美形年下武人殿下はそういって私だきあげた。
今度は赤ちゃんダッコらしい。
「オズワルト殿下、普通に抱けないんですか?」
ヤヒコさんが言った。
「この方が密着出来るからな♪」
美形年下武人殿下が嬉しそうに私を抱き寄せて密着させた。
「あの、下ろしてください。」
恥ずかしいよう。
廊下であう、人たちが礼をしながら好奇心いっぱいで見てるんですが?
「セツラ嬢、気にするな。」
美形年下武人殿下が言った。
気にしますよー。
えーん、もう、お嫁にいけないー。
って…許嫁だっけ?
なにいってもダメそうなので諦めて
美形年下武人殿下の肩に顎をかけて王宮を眺めてた。
高い天井には創世記の絵が描かれ、かべには勇者の伝説をモチーフにしたタペストリーがかかっているようだ。
地母神オーラダー様が勇者オーダウエに聖剣を授けてるシーンがみごとだった。
男性の腕のなかから見るもんじゃないと思うけど。
そこここに警備兵や使用人の姿が見える。
美形年下武人殿下に礼をとってるんで顔がしっかり見えませんが。
どう、思われてるんだろう?
まあ、良いけどさ。
「父上、参りました。」
美形年下武人殿下が立派な扉の前で言った。
ちょっとまて、私、普段着なんですが?
こ、国王陛下だよね、父上って?
「はいれ。」
簡潔な答えが返ってきて扉が開いた。
「オズワルト殿下、おかえりなさい…なんでセツラが!」
出てきたお父さんが言った。
宰相なのにフットワークかるいな…。
「私の許嫁なんだから当たり前だ、イアスダス宰相。」
美形年下武人殿下が言った。
当たり前じゃ有りません。
「捕獲してきたか、イグサ老は本当にぎっくり腰なのか?」
美形年下武人殿下とよくにた声が言った。
「はい、父上。」
美形年下武人殿下がそういって私を下ろした。
けど、はなしてくれないよー。
というか膝の上に抱きあげないでほしい。
アースリース三世国王陛下って美形年下武人殿下と似てる、正確には美形年下武人殿下が似てるんだけどさ。
「そうか、侍医を送ってやらないとな。」
なにか含むような笑いを国王陛下が浮かべた。
じいちゃん、国王陛下になにした?
「シキ、手配してきてくれ。」
国王陛下が言った。
「はい。」
お父さんはこれ幸いと席を外した。
緊張に耐えられなかったらしい。
「さて、セツラ嬢、イグサ老が自慢してただけある、可愛いな♪」
国王陛下が言った。
可愛く有りません。
「父上、私の許嫁です。」
美形年下武人殿下が言った。
二人は見つめあった。
無言の圧力を感じる。
「セツラちゃんが来たって聞いたけど。」
その時扉があいて見覚えある男性が入ってきた。
「カラさん?」
どうしてここにいるんだろう?
カラさんはイアスダス産の特産物や農産水産物の直売所の経営を手伝ってくれてる年下好青年なんですよ。
王都出身で経営のノウハウがあるんで助かっています。
「カーラアストお前もか?」
国王陛下が言った。
「兄上、私の許嫁と知り合いですか?」
美形年下武人殿下が言った。
「私がせっかく下準備したのに~なんで父上と弟にかっさらわれなくちゃならないんですか~。」
カラさんが頭を抱えた。
そういや…カラさんも金髪の長い髪に紫の瞳だ…並んで見れば…この三人似てる。
「王太子殿下まで、いるんですか?」
お父さんが帰って来た。
王太子殿下?
「兄上、あなたこそ抜け駆けしたんですね。」
美形年下武人殿下が言った。
なんか、怖いんですが。
「抜け駆け?計略的といってもらいたいな、私はお前と違って戦闘能力過多ではないからな。」
カラさん…カーラアスト王太子殿下が言った。
「まあ、いいです、私の許嫁です、よらないでいただきたい。」
美形年下武人殿下が言った。
「だから、知略をめぐらせて先に手に入れようとしたのに~。」
カラさん(でもういいや)が言った。
「まあ…オズワルトのものになるとは限らないしな…。」
国王陛下が妖しく笑った。
なんで、私みたいな平凡な貴族にしては行き遅れの女がもてるんですか?
みなさん美的感覚狂ってますよ。
というか…解放して下さい。
直売所が私を待ってるんです。