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あなたがすき、だったから……。  作者: 友坂 悠


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15/25

魔力。

 ◇◇◇



 僕の天使は七歳になった。

 貴族院の小等部初等科の入学式に父様に連れられ出席した彼女は、まばゆいばかりの光に溢れていた。

 家名を名乗らないマオは、はたからみたら貴族ではなく平民だと思われたかもしれないが、誰もそんなことは信じないだろう。

 父様とそっくりなその黄金の髪と、そのサファイヤブルーの瞳。

 フリーデン侯爵の隠し子じゃないかという噂が僕の耳に届くのに、そう時間はかからなかった。


 貴族であれば多かれ少なかれ魔力を持つ。


 世界は、多くの精霊で溢れている。

 小さな小さなその精霊たちは普段は空の隙間に溶け込んで隠れているけれど、魔法の加護がある者の呼びかけに応え顕現する。

 人は、その魂の中に蓄えたマナを精霊に与えることで、魔法という現象を行使するのだ。

 火のアーク。水のバアル。風のアウラ。土のオプス。

 彼ら四大属性に。

 命の、金のキュア。時の、銀のエメラ。重力の底、漆黒のブラド。全ての光、黄金のディン。

 彼ら、四大天使。


 他にももっともっと多くの種類の精霊がこの世界を護っている。


 貴族院ではまずそう習う。


 精霊たちは、「ギア」と称される。

「マナ」を、「ギア」に与えることで「ギア」の権能を行使することを、「魔法(マギア)」という。

 そんな魔法(マギア)を行使する力のことを、「魔力」といい、魔力の強さは「マナ」の量と「加護」の数値の掛け算で決まる。

「加護」というのは、「精霊」との相性、「魔力特性値(マギアスキル)」によって表される。


 どんなにマナが豊富でも、加護が少なければ強い魔法は行使できない。

 だから、貴族院高等部ではこの加護をいかに増やすか、把握し制御できるか、そういった事を学んでいくことになるのだそう。

 魔法は正しく使わなければ危険だから、そういった事も学ぶためにも、貴族であれば貴族院に通うことが義務づけられていたのだった。


 僕も来年には高等部にあがるから、本格的に魔法の勉強をすることになる。

 五歳の誕生日に神殿で調べてもらった加護の属性は、アークだった。

 火の魔法が一番相性がいいらしい。

 特性値の値もけっこう高かったから、子供の頃は将来騎士団に入り暴漢や魔獣から国を守る仕事がしたい、だなんて考えていたけど、今はちょっと考えが変わった。

 僕は、魔法の勉強をもっと深く、もっと専門的に学んでいきたい。

 もちろん、マオを守るために自分の魔法は磨いていくつもりだけど、彼女の母親の病気を解明し、あの石化を解いてあげたい。そう思っている。


 マオにも魔力があるのはわかる。

 でも。

 彼女がうちに来た時にはもう五歳の誕生日を過ぎていたし、侯爵家の正式な子として教会に届けられていたわけでもないから、神殿に行って加護を測る儀式も受けてはいない。

 だから、ほんとうはすごく気になっている。

 マオのポテンシャルが高いだろうというのは、すごく感じるんだけど、もう一度加護を測ることになるのは魔法を本格的に学ぶことになる、高等部の入学セレモニーの時だから。

 それまでの我慢。



 父様は黄金のディンの加護をもつ。

 その血をひくマナの魔力が低いわけはない。


 ふふ。楽しみだ。






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