閑話1 忘れた者たち
ベルゼヴァール達が上に上がった後、他の者たちも上に上がっていく中、地下に残ったとある8人の者たちはというと……
「魔王様、絶対私たちのこと忘れてましたよね。」
「……激甘だった。」
「右に同じだわ。砂糖が口から吐き出でるんじゃないかってくらい甘かったわ……」
「もうはよ結婚式挙げろや! って喉元まで出かかってたぜ、俺。」
「僕もー」
「てかあの子何かおかしいよね?」
「何かってか全部おかしいだろ。」
「あぁ、あの髪と目の色がねぇ~?」
「人間ってあんな色の子生まれないよね?」
「ええ。あの色は人間には普通持てないはずですからね。」
「そうじゃのぉ。あれはなんとも不思議な色よなぁ。」
「というか本当に人間なのかも怪しいわよね。」
「ねー。なんて言うかー。どっちかと言うとー、人間じゃないけどー。長く人間界にいたから人間っぽくなったー。って感じのほうが近いのかもー。」
「たしかにぃ〜」
「それは一理あるな。」
「……でも本人は隠してるってわけじゃなさそう。」
「あぁ。あれは純粋で嘘なんか吐いたことねぇような顔してるからな。」
「でもー白の髪は上位精霊、赤の瞳は上位魔族じゃないといないーっていうからねー。」
「そこがまずおかしいよなぁ?」
「……たとえそれらが交わってもそんな色の子生まれない。」
「そうだよねー。でもなーんか既視感ある気がするんだよねー僕。」
「ふ〜ん? まぁお腹ぶっ刺されてたのに死んでなかったしねぇ〜?」
「もしかしたら人間ではないのかもね?」
「ん〜人間界で何かあったのかしらねぇ?」
「僕最初近づいただけで怖がられてたからねぇ〜」
「あれは魔族が怖いってより大きい人が怖いって感じだったけどねー。」
「大人のことが怖いんじゃろうて。」
「あぁ、確かにそうかもね。魔王様も彼女に近づいた時、目線合わせるようになさってたし。」
「僕もしゃがんだらほっとしたような顔をしてくれたからねぇ〜」
「大丈夫かしらね?」
「これは調べた方がいいかの?」
「「「「「「「だな / だねぇ〜 / そうですね/ ですね / ですわね / だねー / ……そうだね」」」」」」」
この時、あまり接点がないために仕方がないとはいえ、皆はとある種族のことをすっかり忘れていた。
そう、もう一種族、稀に白い髪をもつ子が生まれる種族がいるということを……
そして皆、まだ気がついていなかった。
その種族に近しい……というか親族を持つ人が、ユキノに近しい人が1人、案外自分たちの近くにいたことを……
「……なんかあの子、ええと、ユキノちゃん……だったわよね?」
「うん。」
「こう……なんていうか、つい守ってあげたくなるくらいかわいいわ……!!」
「わかる〜!! なんかこう、庇護欲をそそるというか!!」
「そうよね〜!!」
地下はユキノのことで話が盛り上がっていたという。




