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第24話:またバケツ……

 とある日の朝、日の光がまだ優しく森を包んでいる時間。

先生の厳しい指導のもと、私の修行は続いていた。鳥のさえずりと木々のざわめきが心地よく響き、森の香りが清々しい。


が……。


「また、このバケツ……。」

連日続くバケツの修行に嫌気がさし始めていたが、今日も重さの異なる水の入ったバケツを両手に持ち、片足で立つ。

森の中の静寂に包まれながら、バランスを取ること自体が難しい上に、魔力のコントロールが必要なこの修行は想像以上に過酷だった。


「魔力の流れを感じ取るんだ、アリス。両手の重さの違いを感じながら、自分の身体を通り抜ける魔力の流れを意識し、その流れを安定させるんだ。」


「はい……!」

私は目を閉じ、深呼吸をしながら自分の内に潜む魔力に集中する。最初は何も感じられなかったが、次第に微かな流れを感じるようになっていた。


(何か感じる……けど、これをどうやって……。)


足がグラつき、私は再びバケツの水をこぼしてしまう。悔しそうな表情を浮かべながらも、諦めずに再び修行に挑戦した。



 更に数日が経ち、私は少しずつ進歩を見せ始めた。バケツを持ちながらも、私の体は徐々に安定し始め、魔力の流れをコントロールする感覚が身についてきた。


(微妙に右側の方が重い……集中して……左の重さに合わせて……。)


重さが違う水を持つことで、常に微妙な調整をしなければならず、魔力の繊細な流れを感じ取り、制御しなければならない。


(足がぷるぷるしてきた……でも、集中……!)


不均衡な状況で長時間立ち続けることには、高い集中力と持続力が必要だ。集中を切らせば魔力の流れを感じ取れなくなるし、魔力を持続的に使うには、精神的・肉体的な耐久力が必要になる。この修行により、私は魔力の流れをより細かく感じ取り、適切にコントロールするスキルを身に付けることが出来始めていた。



 ある日の午後、太陽が高く昇り、森が静寂に包まれている中、私は再び修行に挑んでいた。額には汗が滲んでいたが、汗が伝う感覚も感じないほど魔力の流れに集中していた。


「……感じる……魔力の流れを……。」

目を閉じ、全身に広がる魔力の流れを感じ取っていた。魔力が自分の中で穏やかに循環しているのを感じ、その流れを手のひらに集中させる。


「……できた……?」

両手のバケツが安定し、水面が揺れなくなった。その瞬間、私は確信した。


「できた……!」

私は目を開き、バケツが完全に安定しているのを見て喜びの声を上げた。


「よくやった、アリス。お前は魔力の流れを感じ取り、コントロールする基礎を身につけた。だが、これが終わりではない。これからが本当の修行だ。」


「は、はい、先生!私、もっと頑張ります!」

先生は満足げに私を見つめていた。私は達成感とともに、新たな決意を胸に抱いた。私の修行はまだ始まったばかりだが、確かな一歩を踏み出したことを実感していた。

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