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第15話:ネイリスト、古代遺跡を行く!

地形を思い出しながら歩き続けていると、以前たどり着いた神殿の遺跡にたどり着いた。最初来た時は入り口の石碑だけを見て引き返してしまったが、今回はムーンリリーを採取するという目的がある。意を決して私は神殿の入り口へと入っていった。


「吊り橋が……」

神殿の奥へ抜けると、そこには巨大な渓谷と吊り橋がかかっていた。しかし吊り橋はところどころ崩れかけており、今にも壊れそうなほど脆い様子だった。


「これじゃ渡るのは難しい……どうにかして橋の補強をしないと。」

私は一度神殿を出ると周囲を探索し、吊り橋の補強に必要な道具の採取にあたった。

まずはクリスタルヴァイン。この森なら比較的どこにでも生えているので遺跡の近くでも採取することができた。できるだけ多くの若い新芽のクリスタルヴァインの蔓を集める。蔓を適切な長さに切って吊り橋の損傷した部分にクリスタルヴァインを巻き付け補強するためだ。

クリスタルヴァインを手すり代わりに使い、橋を渡る際の支えにする。次に、クリスタルヴァインの樹皮を短剣で切り取り、足場として使う。樹皮の上にはヴォイドリーフを巻いて滑り止めにする。それをヴァインの紐できっちりと縛り上げ足場にする。


「よし……」

念の為、吊り橋のロープの上に大きな石を一つずつ置いておいた。これで少しでも揺れが軽減できればいいが……。あとは修繕しながら進むしかない。幸い素材は植物だけだし、たいして重さはないはず。


「私なら渡り切れる……!」

私は吊り橋の損傷部分を慎重に調査し、損傷部分にクリスタルヴァインを巻き付けて補強した。


「まずはここを補強して……次に進もう。」

慎重に一歩ずつ進み、修繕が必要な部分に到達するたびに、修復作業を行った。

足場がない時は樹皮を使ってさらに補強し、強度を高めた。


「もう少し……もう少しで渡れる……」

高所での修繕作業は神経もすり減らす。汗でびっしょりになりながらも修復作業をを続け、数時間をかけて無事に吊り橋を渡り切った。


「はぁっ……なんとか無事に渡れた……!」

吊り橋を修繕しながら慎重に渡り切り、ついに対岸に到着すると今更ながら恐怖で足がぶるぶると震えた。腰が抜けたようにその場に座り込み、余った素材をそこらに置いて休息をとることにした。冷や汗で脱水症状を起こしそうなくらいに緊張した……!私は疲労を労うように先ほど採取した水を一気に飲み干した。


「はぁ……生き返る……!」

ミカエルさんやエリオットさんも、ここをこんな風に苦労して渡ったのだろうか。でもあの二人は魔法使いで少なくとも王都から派遣され、その上先生の元での修行にも耐えていた魔法使いなのだからこんな橋、魔法を使って難なく渡ったのだろうな。


私は自分の手元を見た。今、私に使える魔法はルミナスフラワーが引き出してくれる最低限の光の魔法くらいだ。攻撃や防御に特化したものではない。ましてや塗布した染料による効果のみなので、私に魔法による解決は望めない。そんな自分を悔しく思った。

ネイリストとしてやり直せると思ったのに……。悔しくて、情けなくて涙がこぼれそうになるのをぐっと堪える。こんな所で泣いてる場合じゃない。夢見ていた異世界転生とは違うけれど、これが私に与えられた試練なら乗り越えないと。


「この世界で、ネイリストになるために……!!」

涙を拭って立ち上がると決意を新たに遺跡の奥へと足を進めた。

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