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第14話:ムーンリリーを求めて

 夜が明け、私は再び歩き始める準備を整えた。森の中の鳥のさえずりが聞こえ、薄明かりが差し込んでいた。冷えた体を少しでも温めるため、肩をすくめながら周囲を見渡す。


「まずは水分の確保が優先だ」と自分に言い聞かせる。

私は寝ぐらにしていた木がクリスタルヴァインの大木であることに気づき、幸運を感じた。蔓から垂れ下がる輝くクリスタルの結晶が朝の光を反射し、美しく輝いていた。


「セシルさんが教えてくれた知恵が役に立った……。」

セシルさんに感謝するも、胸は痛む。そんな大切な知識や知恵を与えてくれた人に私は……。

悔やんでいても仕方がない。私はクリスタルの大木に登り、大きめのクリスタルを慎重に採取した。

そして、適切な長さの木の枝を見つけ、その先端にクリスタルを巻き付けた。クリスタルヴァインの蔓はとても丈夫で、若い蔓は紐としても重宝する。


 周辺を探索すると、更にヴォイドリーフを見つけることができた。

薄く光る緑色の葉が淡い青白い光を放っている。バナナの葉ほどの大きさがあり、非常に丈夫で弾力性がある。私は新しく若い葉を選んで採取し、筒状に加工してクリスタルヴァインで縛り、水筒を作ることに成功した。


「よし……!」

あとは水分を確保するだけだ。私は持っていた短剣でクリスタルヴァインの太い蔓を切り、中から溢れ出す透明な水を水筒に溜めた。水筒がいっぱいになってもまだ溢れてくる水で顔を洗い、喉を潤す。


「よし……水分も確保したし、気持ちも少しリフレッシュできた。以前行ったことのあるあの石碑を目指して進んでみよう。」

私はセシルさんに出会う前に訪れた古代の石碑を目指して歩みを進めた。



 しばらく森を歩くと、突然霧が立ち込め始めた。霧が濃くなり、視界がほとんど奪われた。


「すごい濃い霧だ……。どこに向かっているのか全然わからないな……。」

霧の中で、小さな笑い声やささやき声が聞こえた。周囲を見回すと、光るルミナスフラワーのネイルをかざし、その光で淡い青銀色の小さな妖精たち、シルヴァーミストが姿を現した。

妖精たちは私の周りを飛び回り、霧をさらに濃くして視界を遮った。


「これがシルヴァーミスト……霧の妖精のいたずらね。でも、このままじゃ先に進めない。」

私はルミナスフラワーのネイルとクリスタルの槍を掲げ、さらに強く光るように念じた。

すると眩い光が霧を薄くし、シルヴァーミストたちは悲鳴をあげた。


「キャー!眩しい!」


妖精たちは突然の強い光に驚き、霧を晴らしながら飛び去った。私は霧が晴れた道を見つけ、再び前進することができた。


「これで道が開けた。よし、ムーンリリーを探しに行こう!」

私はシルヴァーミストたちのいたずらを乗り越え、歩き続けた。

しばらくすると、今度は先ほどとは比べものにならない羽音と笑い声が聞こえてきた。妖精の群れが私の方に向かって追いかけてくる。


「あれは……フェアリー・スウォーム(妖精の大群)!あれに巻き込まれたら流石にまずい…!」

私は全力で森の中を走った。日頃の訓練の成果だろうか、フェアリー・スウォームを引き離し、どんどん距離をとっていく。

よし、このままなら逃げ切れる!そう思ったその時。


「逃がさないわよ!」

楽しげな妖精の声がすぐ横で聞こえた。気づけば妖精の群れは竜巻のように舞い上がり、私の前に迫っていた。


「集中して……」

私はネイルの光を強くし、周囲に光の防御壁を作り出した。

妖精たちはこの光に近づくことができず、私の周りを飛び回ることしかできない。


「これで少しの間は安全……次の手を考えなきゃ。」

私は先ほど採取したクリスタルヴァインの水に短剣を浸し、ネイルの光を短剣とクリスタルの槍に流し込んだ。武器が光を帯び始める。


「これで攻撃が効くはず……!」

まずは妖精たちの群れを分断しないと。閃光を使って一時的に目をくらませることができれば……。


私はネイルとクリスタルに光を集中させ、強い閃光を放った。妖精たちは一時的に目を眩んだようで、群れが散り散りになって分散をし始めた。


「くぅっ、眩しい……!!皆、ダメよ!バラバラになるな!」

あれがフェアリー・スウォームのリーダーであるシルヴァーミストね。リーダーを倒せば、他の妖精たちの士気を下げることができるはず……!


私はリーダーらしきシルヴァーミストを目視し、その方向に向かって突進した。

光魔法で強化された短剣とクリスタルの槍を使い、リーダー目掛けて突進した。


「やああああ!!」


私は素早く動き、シルヴァーミストを追い詰め、光の短剣で一撃を与えた。

リーダーの羽に傷がついたのかよろよろと倒れると、他の妖精たちは動揺し、攻撃の勢いが鈍り始めた。

「うっ……!」


私はさらにクリスタルの槍を地面に突き刺し、ネイルの力を最大限に増幅させ強い閃光を辺りに広げる。これにより、妖精たちは完全に怯み散り散りになって去っていった。


「これで……終わりにする!」

私は素早く動き、シルヴァーミストを追い詰め、光の短剣で一撃を与えた。リーダーの羽に傷がついたのかよろよろと倒れると、他の妖精たちは動揺し、攻撃の勢いが鈍り始めた。


「リーダーが……!」

私はその隙を見逃さず、さらに攻勢を仕掛ける。短剣が光を放ち、次々と妖精たちを追い払っていく。リーダーのシルヴァーミストは痛みに耐えながらも必死に逃げようとしていたが、私は追い詰めることを止めなかった。


私はクリスタルの槍を構え、最後の力を振り絞ってリーダーに向かって突き刺した。

光の閃光が迸り、シルヴァーミストは悲鳴をあげながら地面に倒れ込んだ。


「こんな……はずじゃ……」

リーダーの声が消えるとともに、他の妖精たちは一斉に散り散りになり、森の奥へと逃げていった。私は息を切らしながらも、勝利の達成感に満たされていた。


「ふぅ……なんとか追い払えた……」

私は短剣と槍を収め、一息つくためにその場に膝をついた。

心臓が激しく鼓動していたが、私の目には決意の光が宿っていた。私はセシルさんへの謝罪を果たすため、再び立ち上がった。


「これで道が開けた。ムーンリリーを探しに行こう!」


 私は新たな目的地を目指して歩みを進めた。

森の奥深くへと足を運び、私の心には希望と決意が溢れていた。

やがて、私は古代の神殿の遺跡にたどり着いた。巨大な石碑が立ち並び、その荘厳な雰囲気に圧倒されたが、私は一歩ずつ慎重に進んだ。



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― 新着の感想 ―
妖精のいたずら!めちゃくちゃファンタジーで大好きです!
2024/12/04 10:32 退会済み
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