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第9話:新たな素材を求めて

「魔物……ですか……。」

私は恐る恐る口を開いた。


「魔物を素材にすることは珍しくない。肉は食料、心臓や角は薬、皮や鱗、爪や牙は防具や武器になる。私たちは魔物と共存する運命にあるんだ。」

セシルさんの声には冷静さが漂っていた。


「なるほど……ネイルの素材も……」

私の声は僅かに震えていた。


「ああ、魔物から獲るのが効率的だ。試しにこの近隣の魔物を狩ってみようか。」


「魔物を狩るんですか?」

その言葉に心臓は激しく鼓動していた。


「狩らずにどうする?素材を提供してもらうつもりか?」

そう語るセシルさんの視線は冷たかった。


「う……生き物を殺したことなんてないので……」

私は視線を逸らしながら言った。


セシルさんの目が鋭くなり、厳しい口調に変わった。

「アリス、お前は今まで何を素材にしてきた?」


「ハーブや木の実、薬草や……主にルミナスフラワーを……」

私は小さな声で答えた。


「それらは生き物ではないと言うのか?」

セシルさんの態度は冷静だがその声には怒りが混じっていた。


「いや、そんなこと……」


「エルフは森の民だ。植物にも命があり、摘み取られれば悲鳴をあげる。木が切り倒されれば痛みを感じる。その声は動物や魔物、エルフには聞こえる。植物も我々と同じように痛みを感じ、恐怖を抱く。それでも必要だから命をいただいているんだ。植物は殺せるが魔物は殺せないというのは偽善だ。」


私は沈黙した。私の心に、セシルさんの言葉は深く突き刺さった。

セシルさんの冷たい視線にさらされ、目にじんわりと涙が浮かんだ。


「覚えておけ、アリス。植物も命だ。血が出ないからといって踏みにじっていいわけではない。命をいただく覚悟を持て。」


「はい……。」

私の声は震えていた。

私は考え込んだ。植物の悲鳴は聞こえないが、それも命だと改めて認識する。私の胸に、セシルさんの言葉が重くのしかかる。


「セシル先生、ありがとうございます。私、魔物を狩ります。自分のために、魔法の力を得るために。」

私は涙をぬぐい、決意を込めて言った。


「わかった。お前に我々エルフの文化を押し付けるつもりはないが、その覚悟は忘れないで欲しい。では明日、魔物を狩りに行こう。」


「はい!」

私は決意を新たにはっきりとした声で返事をした。



 翌朝、アリスは短剣と荷物袋を受け取った。


「これはお前の武器だ。素材を保管する容器もある。お前が一人で狩るのはまだ難しいだろうから、私が攻撃をするが、とどめと解体はお前が自分でやるんだ。」


「はい……。」

私は短剣を握りしめ、これから命を奪う覚悟を決めた。

手が震えるのを感じながら、深呼吸をした。胸の中で葛藤が渦巻いていたが、私は前を覚悟を決めて前を見据えた。

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