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プロローグ:吟遊詩人カンタスの語り

バリカントスの吟遊詩人、カンタスが語るプロローグ。

さあ、皆の衆、集まって!


火を囲み、耳を傾けよ。今宵、壮大なる物語をお聞かせしよう。


このルミナスリアで語られるは伝説、あるいは神話か。“指先に光を宿す者”名はアリス。

それはまるで星々が輝く夜空のように美しい輝きを宿した魔法の爪先を持つ勇敢なる少女……アリスの物語を歌おう。



吟遊詩人はリュートを爪弾きながら、声高らかに歌い始めた。



ルミナスリアという名のこの世界。

その広大な大地には多様な種族と文化が共存している。


中央に広がるセントラリア大陸、ここはまさに異なる特徴・特性を持つ種族の宝庫だ。

緑豊かなノーザン王国、強力な軍事力を持つハーランド王国、ドワーフの鉱山地帯ストーンハイム、そして差別された異端者たちの集うグリーンフェル公国。


その大陸の中でも最も危険な場所、それが禁忌の森!エルフですら近づくことを恐れる死の森で、アリスの冒険はまさにここから始まるのだ!


エルフですら恐れるこの森で、彼女は白い魔女と出会う。冷たく氷のような瞳を持つ美しい魔女。

異世界からやってきたネイリスト、アリスに彼女が与えるのは愛か死か……それは後のお楽しみだ。



さて、ルミナスリアに住む多様な種族を紹介しよう。


まずは人間。最も数が多く、技術と魔法に長けているが、その優越さゆえに他種族を見下すことも多い。ハーランド王国はその代表だ。


次にエルフ。自然と共生し、強力な魔法と長寿を持つ種族だ。美しさと優雅さで知られているが、閉鎖的で他種族には友好的とは言えない。


そしてドワーフ。鍛冶や宝飾、採掘に優れた屈強な種族。彼らの技術は素晴らしいが、今はハーランド王国に侵攻され、奴隷となっている。だが、その誇り高き鉄の魂は決して人間に屈することはない。


クロックスミスは機械工学に長けた種族。高度な技術を駆使するが、魔法が使えないため“アスパーニア“”……古代エルフ語で“魔法に愛されなかった子供達”と呼ばれ、忌み嫌われ、蔑まれている。


インフェルナ族は火の魔法を使う勇敢な戦士の一族。その強大な力から“火の悪魔”と恐れられ、差別と迫害に苦しんでいる。


最後に私たち、バリカントスだ。

我々は国を失った放浪の民。独自の文化と魔術を持ち、キャラバンで町から町へと移動し、安住の地、サンクチュアリを求めて旅を続けている。自由と誇りを持って生き続ける我らもまた差別され、迫害を受けているが、それでも生き抜いている。


さあ、歌おう!この物語を!


これがルミナスリアの大地で繰り広げられる壮大な物語の舞台だ。

種族間の差別や対立、そしてそれを乗り越えようとする勇敢な者たちの物語。

今宵、皆にお聞かせするのは、その中でも特に輝くアリスの冒険譚だ!



カンタスはリュートを弾きながら、声を高めて歌い続けた。



森を抜けた彼女を待ち受けていたのは、炎の悪魔との遭遇。

燃える瞳と全てを焼き尽くす炎の悪魔。彼女はその試練を乗り越え、サンクトリアの町にたどり着くことができるのか。


そして、幽霊執事の悲しき物語。

かつて高貴な貴族に仕えていたが、その家族を守れずに命を落とし、未練を残して幽霊となった執事。

アリスの優しさが彼の無念を晴らし、彼の魂を安らぎへと導くのだろうか。



さあ、これから始まる物語が伝説となるか、神話となるか!アリスの冒険はまだ始まったばかり。


この広大なルミナスリアで、彼女がどのようにして運命を切り開いていくのか、共に見届けようではないか!


ルミナスリアの大地には、まだ数え切れないほどの冒険と試練が待ち受けている。

アリスの指先に宿る光が、この世界を救うのか?また彼女はこの世界の光となるのか?


それはこれからのお楽しみだ。


聞けよ、皆の者。歌え彼女の冒険譚を。

いく年にも語り継がれる彼女の英雄譚を。


今宵はここで、幕引きとしよう。


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― 新着の感想 ―
主人公は後世吟遊詩人に語られるようにまでなるのですね。どんな冒険になるのかワクワクします…といっても、一度64エピソード読んでから読み返しつつの感想です。 ネイルはセルフケアくらいで詳しくないのですが…
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