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ドライフラワー

作者: Sakana

sakanaの初投稿作品。ゆっくり見ていってください。私の本の読者になってくれるだけで喜びます。私の作品はタイトルが全てみたいな小説です。タイトルに合わせた内容になるよう心がけてるので、何がタイトルとマッチするのか考えながら読んでくれたらより楽しめると思います。


 『はい!チーズ』パシャ。

私の一番嫌いな音だ。私は昔から笑顔が苦手だ。なので写真のたびに笑われたり、冷やかされたり、いじられたりする。今回も思った通りクラスの目立ちたがり屋が笑いながら寄ってきてこう言った。

『塩見さん全然わらってなーい。あ、こいつ笑えなかったんだった』

いつものことなのでもう慣れたが正直うざい。嫌いだ。私も笑いたくなくてこうしてるわけではない。これを見た友達はすかさず

『優衣ちゃんはわざとやってるんじゃないんだから。ほっといてくれてもいいのにね』

と言った。嫌なことをしてくる奴はいるけど、こう言ってくれる友達がいるから私はかろうじて学校が好きだ。だけどこんな自分は好きじゃない。

 いつもと変わらぬ日々を何日か過ごした後、先生から文化祭の連絡をされた。みんなで話し合った結果私たちのクラスはミニボウリング、射的などのミニゲームをたくさんできる場所にしようということで決まった。私はクラスに嫌な奴はいるけど全員じゃないし、学校は好きだし、行事も好きだし、文化祭は私の好きな行事でもあるので人一倍気合を入れていた。

 文化祭当日まで私は全力でクラスの手伝いをした。買い出し、部屋の飾り付け、ゴミ捨て。出来ることはなんでもした。慌ただしく忙しい毎日を過ごしていると、気づいたら文化祭当日になった。当日もみんなのサポートを頑張った甲斐あって、文化祭は無事になんのトラブルもなく終わった。

 文化祭が終わった後、お疲れパーティーとクラス写真撮影があった。今回こそはと気合を入れて写真撮影に挑んだがやはり笑顔は出来なかった。

しばらくすると嫌いな奴がまた話しかけてきた。だが今回は違った。今回はやなやつじゃなかった。彼女は私にこう言った。

『あなたは相変わらず写真写りは最悪だけど、本当は優しいのわかったから。文化祭色々手伝ってくれてありがと』

それを聞いた他のクラスメイトもそれを聞き私に向かって拍手をした。私は少しだけ写真と自分が好きになった。

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