表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

ネコ耳の容疑者

耳が何度もピクピクする。


『な、何があったのだっ!異世界より召喚されたドラゴンとの戦いのあとかっ!?古より導かれし血のまぐわいかっ!?』


ランとロンは全身擦り傷。ヤマさんも服がぼろぼろ。


寮に帰ってみれば、誰もおらず、風呂上がりにリビングに来てみれば、負傷者が3名。



『え、エミリちゃん、バスタオルから溢れ出んとするその育ち盛りの双丘もたまらんね、チラリズムの極み。』


耳がピクピク。

さすがに、負傷者を張り倒す気にはならない。

額を小突く。



♦︎

『そんなことが・・・。』

『姉様が傷ついた、姉様が傷ついた、姉様が傷ついた・・・。』


帰ってからランはテーブルに目を伏せて、見開いたまま念仏のようにつぶやいている。

ヤンデレは面倒だ。地獄の火炎釜で茹で上げたい。


グツグツグツグツ。


『とにかく無事でよかったわ。はあ・・・。』


両手を後ろにつき、脱力する。



『いやいや、遅くなったねえ。』


ヤマさんとロンが鍋いっぱいの肉じゃがと、ご飯、味噌汁を運んできた。



『とにかく食べようか。お腹が一杯になれば冷静になれるからね。』


『姉様が傷ついた、姉様が傷ついた、姉様が傷ついた・・・。』


『ラン、私ご飯食べたい。』


ロンがランを上目遣いで見つめる。


『はっ!姉様!申し訳ありませんっ!食べましょう!!いや、食べさせてくださいっ!!』


『・・・そこは自分で食べて。』



『『『『いただきます!』』』』


とにかくガツガツ食べる一同。考えない。とにかく食べることに集中する。


肉!

米!

じゃがいも!

味噌汁!

米!米!米!米ーーーーーっ!!


わしわし


かっかっか!



食べまくる。食べまくり、食べまくる。


食べまくって、その多幸感のまま、一同は泥のように寝た。




♦︎

チュンチュン。


『う・・・っ。』

目が覚める。リビングの天井。畳の匂い。


体を起こす。


『いつつつ・・・。』

寝相が悪かったか、体が痛い。


ランもロンもヤマさんも、私も疲れきっていたのかご飯を食べたまま寝てた。


ヤマさんにいたっては、茶碗に顔を突っ込んだまま寝ている。


ランはロンを抱き枕にして寝ていた。


『・・・食器、かたさないと・・・。』



かちゃかちゃ。


『よっと・・・。』


台所に持っていく。


今日が日曜日で良かった。学校に行く気力はない。







ピンポーン。


『誰かしら、こんな早朝に。』


ドアを開ける。



『こちらはネコ耳族寮の嶺二寮ですか?』


耳がピクピク動く。










『おはようございます、朝早く申し訳ありません。私、〇〇警察署の刑事です。こちらにお住まいのロンさんに署までご同行願いたく馳せ参じました。』


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ