夕飯!シスコン!変態!通り魔っ!
『はいはい、エミリちゃーん、ハンバーグだよっ!』
ヤマさんお手製のハンバーグ。脂がギュッと詰まっていて1噛みすると、旨みが口の中で弾ける。
『うんまあいい!!』
『普通のリアクションだね。つまらんな。』
ロンが煽ってくる。今は、ヤマさんのハンバーグを味わいたいというのに。否、ここは堪えて肉の味に集中する。
肉、米っ!
肉、米っ!
肉、米っ!
肉、米っ!
肉、米っ!
肉、米っ!
『眷属よっ!この白き精霊の塊のおかわりを所望するっ!!』
『はいはい、ご飯おかわりね。』
ヤマさんは厨二病を軽くいなす。
『姉様!はい、あーん!』
『1人で食べられるわよ、ったくうざったいわね。』
ロンにハンバーグを食べさせようとしたランの箸を持つ手が震える。
ぽたぽた。
『う、う、姉様、、姉様はああああ、私のこと嫌いなんですかあああああああ!!!』
ランが癇癪を起こす。
テーブルに突っ伏して、ぎゃあぎゃあ泣き出す。
『もう死ぬしかないですわ、姉様にうざいハゲシスコンキモオタ豚野郎なんて言われた日には、もうベランダから飛び降りて叩きつけられて、その肉塊を姉様に召し上がっていただくしか・・・』
ランの誇大妄想、ヤンデレ、シスコンぶりは振り切っている。演技なのではないかと思うことすらあるが、彼女はマジなのだ。
『あー。はいはい。よしよし。大丈夫、大丈夫。』
ロンがやる気なく、ランの頭を撫でる。
『姉様っ、ワタクシのこと、お嫌いですか?』
『嫌いじゃないわよ、別に。』
ランが上目遣いでウルウル涙を目に溜めている。
『本当ですかああ・・・。姉様っ!!』
ランがロンに抱きついてくる。
ロンはうざそうにしているが、これ以上拗らせても面倒なので抱きつかれたままハンバーグを食べ始める。
『あんたは、あんたで食べなさいよ。冷めるわよ。』
『はい、姉様!』
見慣れた光景だから、私もヤマさんも気にせずご飯をすすめる。
『あ、エミリちゃん、洗濯物回しておいたからあとで取り込んでおいてね。』
『ヤマさん、また私の下着、洗ったんですね・・・。』
ゴゴゴゴ。
どす黒い怒気がまとわりつく。
フリをした。
このやり取りもまた日常。
頬を一発叩く。
『ヤマさんのえっち!!!!!』
『痛っ!』
こんな感じで夕飯の時間は進んでいく。
夕飯後。部屋でvtuberのライブ配信をしていた。
私のキャラは、天使のようないでたちで長髪の縦ロールのお嬢様キャラだ。
『はーい、皆さんこんにちは!最近すっかり涼しくなってきたねっ!』
元気に始める。ゆるゆるとチャットで会話をしていく。
チャットでは、最近のニュースについての話になっていた。
『最近、通り魔事件が怖いよねー。』
そんなチャットが流れてくる。
通り魔事件?そんな事件あったかしら。
さりげなくネットで調べてみた。
『〇〇河川敷で通り魔事件多数発生。7人目の犠牲者。』
あった。
いずれも性別、年齢、職業はバラバラ。無差別殺人か。犯行はいずれも夜中で、河川敷で殺されている。全て、ナタによって頭をかち割られている。〇〇河川敷はこの寮からも近い。
『みんな気をつけようねえ!』
そんな感じで、通り魔事件についてはさっくり話を終えて配信を続けた。




