姉殺し。
『ロン!ロン!しっかりしろっ!!』
床に倒れる。胸を強打する。
『あ・・・が・・・。』
なんだ?
体が動かない・・・。
視界が大きく揺れる。
こんな体調不良・・・?
水筒を見る。
『あ、あ、、あれか・・・。』
そのまま視界が暗くなっていった。
♦︎♦︎♦︎
お姉ちゃんが倒れた。
お姉ちゃんの代役なんて面倒くさい。
別に、求めていた役柄なんかじゃない。
毎朝早くからの稽古。
お姉ちゃんはこんなプレッシャーの中こなしていたのか。
ただ似てるからというだけで、文化祭発表の演劇の主役をやらされるなんて。
めちゃくちゃ面倒だ。
朝の稽古が終わる。
ロッカールームで着替える。
『えーっと・・・・。』
無い。
財布が無い。
確かに入れたはずだ。鍵もかかっていた。
ふざけてる。
演劇部の練習で使っている教室に駆けた。
『先生。』
『なんですか?ランさん。』
『ロッカーに入れていた財布が無くなりました。』
困った顔になる先生。
『それは、困ったね。』
メガネ。
デブ。
汗臭い。
演劇を教えるのがとてもうまいのと、
こんななりで、若い頃は演劇部でそれなりにブイブイ言わせてたらしく、根本はエロ、勘違い野郎だ。
だからこそ、扱いやすい。
『その、先生・・・私!』
手を握る。
『わ、わかった。犯人探しをしようか。』
若い頃モテて、今モテない男。
そんな男がこんな可憐な学生に言い寄られているのだ。
下半身をたぎらせてるに違いない。
『ありがとう、先生・・・。』
涙。
上目遣い。
胸を押し付ける。
バーカ。
かくして、演劇部員は招集をかけられた。
1人1人荷物チェックさせられる。
出てこない財布。
ある女学生が発言する。
『そーいえばさあ、朝稽古行く時に誰か入っていくのが見えたんだよねえ。』
『えー、誰々??』
騒ぎ立てる部員。
『静かにしなさい。ったく。一体誰が。』
『でも、みんな練習してたよねえ。アリバイあるんじゃないですかあ?』
そう、全員アリバイがあり盗みに入るタイミングなんてなかったのだ。
『えー、1人だけいるじゃん!』
『誰々ー?』
『ランの姉貴。』




