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ランお嬢様。



『はあ・・・。』

喫茶店で人を待つ。


ピクピク。


思い切ったことを我ながらしたものだ。


ネコ耳族の過去は凄惨なケースが多い。

そんな事は知っている。


つい少し前まで差別の対象だったのだ。

余計な詮索をしないのが、筋というものだ。


『はあ・・・。』


ランとロンの過去をよく知る人間に

アプローチするなんて。


『最悪よね・・・。』


そうも言ってられないのだ。



リサーチしなければ、

ロンが捕まってしまう。


同じネコ耳族として

そればかりは許せない事だった。


差別解消法ができたとはいえ、

風当たりが弱まったわけではない。








 

『ネコ耳族はよくわからない。』

『なんだか、怖い。』







そんなものなのだ、世間のイメージなど。

いくら能力が高かろうが、人の役に立とうが

触れぬが吉。


人間からの必要以上の接触はないのが現状だ。



ロンが逃げ回っているという事実がまず良くない。



『やっぱりやましい種族なんだ。』


そんな風に思われる。

ロンはもう少し頭のいい子かとは思った。









『お嬢さん、ずいぶん感情的になっていますな。』


ピクピクピクピク!





『あ、いや、すみません!突然お呼びたてしてしまいまして、はじめまして。エミリです。』


『これは、礼儀正しいお嬢様だ。私は逆井竜です。ラン様とロン様にはよくしていただいたのですよ。』



『あなたが・・・。』


片眼鏡。

オールバックの白髪。

きちっと着こなしている藍色のスーツ。

センスの良いネクタイ。






『ええ、内戦前はラン様とロン様のお屋敷で

執事をしておりました。』


逆井は昔のランとロンをよく知る人物。


『さて、何からお話すればよろしいかな?』




ドンっ!


札束を出す。

ざっと200万。



『そんな羽振りが良いとは、エミリ殿は実は指を詰めてらっしゃる?』


『気に入らないのかしら。』


逆井は札束を胸に潜ませる。





『いいえ。お話させていただきますよ。

端的に述べますと、ラン様はロン様をお嫌いだったのですよ。』

と、シスコンらしかぬ、2人の昔話をはじめた。

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