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白鷲の騎士

「こちらが、お預かりしていた一式です」


 何日か後、立ち上がれるようになった私にラインが渡してくれたのは、胸当て、篭手、兜、そして私の槍!

 白銀に輝く私の装備たち。倒れる前より綺麗になったかもしれない。


「良い装備を揃えるのはいいけどさ、釣った魚に餌やらないで終わりはやめろよなー、騎士サマよう」


 そう言って普段の調整の不備に文句をつけてきたのは、カリオと名乗る整備士兼従騎士の男だった。彼が私の装備を修繕したらしい。


「へこみと擦り傷だらけだし、刃溢れは放置だし、ジョイントの革だって今にも切れそう! こんな奴に使われてコイツらも可哀想に」

「悪かったな!」

「まあまあ、名誉の傷ですから……」


 微調整するから付けてみろ、と言われてその通りにすると、確かに以前よりずっと身体に馴染む。この整備士、装備至上主義なだけあって腕は確からしい。


「どうだ?」

「肩周りはもう少し緩いほうがいいな、革を柔らかいものに換えてほしい。あとは問題ないが、槍は実際に突いてみないと分からない」

「あいよ」


 ふと隣を見ると、ラインがじっとこちらを見ていた。私と目が合うと、慌てて目を逸らす。何だコヤツ。


「何」

「いや、本当に騎士なのだなと。あ、疑う訳ではないのですが」


 どこか必死に弁明しているように聞こえるのは気のせいだろうか。


「しかし、実によく似合っておられる。オーダーメイドですか? 私も頼みたいものです」

「俺がいるだろライラック!」


 カリオにどつかれるライン。主君と臣下の間柄ではあるものの、かなりラフな関係を築いているようだ。

 頬をつねられながら、ラインは優しく笑いかける。


「白銀の槍、白銀の鎧、絹のような銀の髪、芦毛の馬に乗っている、ときては、『白鷲の騎士』という名にも同意するしかありませんね」

「ワシっつーかタカじゃね? ちっさいし」


 ラインは私を褒め称えているつもりなのだろう。それはそうだ、こんな見た目をしておいて、私が白が嫌いなんて思う訳がない。

「そんなに似合って見えるか?」

「ええとても」

「これ、本当は他人のものを勝手にパクって調整して使ってるだけなんだがな」


 びっくりしたのか、二人ともポカンとしている。きっと、続く言葉を聞いたらもっと仰天するのだろうな、なんて思いながら、私は真実は告げないことにした。


(全部全部、皇帝陛下に献上する予定だったはずの物。私を含めて、全部)


 とても言えない秘密だった。

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