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ただの女の子
白が嫌い。
ちょっとしたことで汚れてしまう、弱っちい色だから。
それでも私の髪の毛は真っ白。お父さんともお母さんとも兄弟たちとも似ていない。
お父さんは私に何度も何度も繰り返す。
「お前は我が家の宝なんだよ」
信じない。
「お前は我が家の宝なんだよ」
信じない。
「お前は我が家の宝なんだよ」
だって、宝って、困ったら売り飛ばすんでしょ。
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お屋敷の窓から見える景色も真っ白。白い街、白いお城。お前はいつか、あのお城で暮らすんだと言われても、あんまりピンとこない。
あのお城には『コウテイ』がいて、私はその人のお嫁さんになるのだと教えられた。そのために、いっぱい色んなことを覚えなきゃいけないんだって。
すごく嫌だった。
お行儀よくして座っているより、私も皆と外で遊びたい。ダンスの練習よりも、乗馬の練習がいい。難しい本を読んでいるより、お姫様の出てくるおとぎ話が読みたい。
それに何より、私だけの恋がしたい。
だって私、何の才能もない、普通の女の子なんだもん。
家に置かれた白銀の鎧を見ては、私はずっと泣いていた。




