第9話
ユウキ=エル=ブレイブハート。
ブレイブハート辺境伯の次男坊。
先月6歳になったばかりである。
父親譲りの黒に限りなく近い灰色の髪は日に当たると銀色に輝き、顔の造形と翡翠色の瞳は母親譲り。
中性的な顔のため、二つ上の姉のお下がりを着せられることもしばしば。
ちなみに家族構成は両親に兄と姉が一人ずつと妹が一人。
10歳の兄は王都の学園寮に入っており、姉も今年から学園に入ることになっている。
ユウキは2年後の予定だ。
ブレイブハート辺境伯家は代々広大な土地の管理を王から託され、隣接する森の迷宮からモンスターなどが溢れ出ないよう守る役目を負っている。
その為ブレイブハート辺境伯家では幼い頃から剣術、槍術、弓術を始めとした様々な武術や戦闘技術、そして魔術を貴族の教養を勉強しながら同時に学ばなければならない。
兄のシモンは槍術に関しては辺境伯領の騎士団でも通用するほどの腕前を誇り、姉のサラは剣術と魔術に非凡な才を誇る。
ユウキはまだ未熟だが剣術に才能があった。
基本的に貴族と言えば二つに別れる。
戦える貴族と戦えない貴族である。
戦える貴族はその血に才ある者を積極的に取り入れ、戦えない貴族は権力が集中しすぎないよう調整しつつ青い血を高めていく。
当然ブレイブハート辺境伯家は前者であるのでユウキもまたよちよち歩きの頃から相応の訓練を受けて育っている。
もっとも現当主であるユウキの父親は自主性も重んじている為、やる事さえやっていれば子供らしく外で自由に遊ぶことを許可していた。
そのためユウキはよく外に出ては自由に遊んでいる。
そしてその日、ユウキは屋敷の裏手にある森の中で遊んでいた。




