転生するという事
読んでいたら書いてみたくなりました
異世界でチートでハーレムで旅をしたいと考えてます
気軽に読んでみて貰えたら嬉しいです
よろしくお願いします
すいません、何度か頭から書き直しを繰り返しています
空を見上げる
雲一つない青い空に鳥が飛んでいく姿が見える
柔らかな日差しと風に揺れる草花
未舗装の小道の道端、俺は倒木に腰かけている
顔を正面に戻せは山の木々の濃い緑が目に入る
小道の向こう側は少し下れば小川が流れている
のどかな時間である
が
別に登山に来ているわけではない
俺の格好は黒地に蛍光イエローラインのジャージで足元はサンダルである
普通に部屋着である
休日のいつもの遅い起床、朝食を買いに家を出たはずである
俺の住むアパートから100メートルほどの先のコンビニにである
しかし何故か俺は山の中にいる
コンビニが有る交差点で赤信号を眺めていて…今ココである
幾ら思い出そうとも間の記憶がない
(さてと…記憶喪失かワープか異星か異世界か何かしらの展開なのか?)
(まずはお約束の、ステータスオープンっと)
名前:東雲真人 (21歳) 状態:正常 レベル:E ランク:S
筋力 E 体力 E 器用 E 敏捷 E 精神 E 知識 E 運 S 信仰 F
スキル:転生者 アシスタント
表示されたステータス画面は目の前にあるが、目の前にない
何を言っているのかわからねーと思うが
視覚と前頭葉というか脳内との間に薄い膜がある感じ?
その膜にステータスが表示されているような感じ?
(おっと、でたか)
(ならば、ここはゲームの中か?)
(しかし、ゲームの中としても何のゲームだろう?)
俺は別にゲーム廃人ではないネットゲームはやるが底辺プレイヤーである
まぁ、キャラクターに変わっているわけでもないので関係ないが
それに思い入れのあるゲームもない、いったい何処のゲーム内なのだろう?
(名前と年齢はそのままと)
(状態は正常でレベルはE?数字じゃないのか?)
(ランクはSだが何のランクだろう?)
(運がSで信仰心がF、その他がEか)
(神はわからないからF、信仰は無いってことかな)
(Fが最低なら、Sは最強…強運か、ありがたい)
(お決まりのパターンからするとS・A・B・C・D・E・Fだな)
(能力値はオールE、普通かそれ以下って所か)
(スキルは転生者とアシスタントだけ)
(転生者か転移者ではなく、転生者か)
(転生してるのに名前も体も格好も変わってないのか?)
(つか、転生ならゲーム内ではないのか?)
(ならば…異世界転生ゲーム風世界なのか?)
(わからん)
(それと、アシスタント?)
(お呼びでしょうか)
耳の後ろ?頭の上?左側後ろ?、静かな女性の声で返事がきた
「えっ…?はい?」
左後ろを振り向くが誰も居ない
さらにそのまま視線を上げる…が、誰も居ない
(どうしましたか?)
また、頭の左後方上部から声がする
「どちらでしょう?」
周りを見渡しながら姿の見えない声の主に質問する
(意識に直接干渉しておりますので、姿はありません)
どうやら頭の中で声がしていたようである
「テレパシーとか精神感応系?」
恐る恐る声の主に聞いてみる
(はい、精神感応です)
声の主は静かに肯定する
(すいませんが、どちらの方でしょうか?)
ならば、頭の中で話しかけるように聞いてみる
(はい、東雲真人さま担当のアシスタントです)
声の主は俺担当のアシスタントと主張する…なるほど、担当なのかと
(お名前を伺ってもよろしいですか?)
何処かにコールセンターのような場所でもあるのかと考える
そして、俺以外の担当のアシスタントも存在するのかと考える
(名前はありません、宜しければ命名をお願いします)
名前がない?
何故?
そもそも名前が存在しないのか、それとも俺が名付けるルールなのか?
(参考までに今までに付けられた名前を教えてもらえませんか?)
アイスタントに聞いてみる
(私は東雲真人様用に作成されましたので過去に命名されたことは有りません)
ふむふむ…俺専用で作られたと、誰に?
(誰に作られたのです?)
当然気になる所です、アシスタントに聞いてみる
(申し訳ありません、お答えできません)
そうか、答えられない内容があるのかと
ふむ…神だとしても、神とは言わない理由
神ではない者の可能性と俺がここに来た理由
考えてもわからん
とりあえず命名するとしよう
しかし、命名か…名前か…悩む
アシスタント…アシ…アシス…シス…タント
(シスさん、ではどうでしょう?)
とりあえずここは、眼鏡美人の秘書のイメージで考えてみる
(シスサンですね、ありがとうございます)
そしてお約束も入るっと
(いや…シス、シスでお願いします)
素早く訂正する
(シスですね、ありがとうございます)
嬉しいけど表には表さないんだからねっ的な妄想をする
(シス、アシスタントって何?)
さて、真面目に質問をしていくとしましょう
(はい、アシスタントは転生者の固有スキルです)
(転生者の補佐をする事が主な役割になります)
補佐と…いったいどこまで補佐してもらえるのだろうと考える
(ほう、では…シス、ココは何処でしょう?)
異星か異世界かゲームの世界辺りが有力なのかな?
日本って事は無いだろうと考える
(はい、アブランシュ=マテゥー=フレデリクデアル伯爵領内)
(ジュルク村から領外の魔の森に至る道です)
シスが説明してくれるが、そうじゃない
(ああ…いや、世界的な…いや、俺は死んだのかな?)
うーむ、質問が抽象的だったかと反省して質問の方向を変えてみる
(はい、交通事故です)
シスがアッサリと答える
(そっか…)
死んだのかと…交通事故かと
…
そっか…死んだか
…
仕事の引継ぎ…まぁ…いっか
…
両親に親孝行できなかったな…事後処理
…
迷惑掛けるな…保険金幾ら出るのかな
…
そうか…死んだか
…
アパートの荷物
…
あっ…ハードディスク
…
うーむ…ハードディスク
…
ハードディスク
…
ハードディスク
…
仕方ないか…仕方ない
「まぁ…仕方がないか」
空を見上げる
雲一つない青い空に鳥が飛んでいく姿が見える
柔らかな日差しと風に揺れる草花
(シス、ナントカ村は遠いかな?)
此処に何時までも座っていても仕方がない
食事と寝る所を探さねばならない
(いえ、川下に3時間も歩けばジュルク村に着きます)
シスが答えてくれる
取り敢えずは1人だけどひとりじゃない
考える事は後にして知ることから始めようと思う
(ありがとう)
シスにお礼を言って立ち上がる
しかし、村まで3時間は遠いよなと思う
「行ってみるか」
未舗装の小道を川下の方向に歩いていくとする
・
道すがらシスに色々質問したところ、やっぱり異世界のようである
そして俺を連れてきたのは、やはり神のような存在のようである
俺の居た世界は魂の総数は十分に有るので、新しい世界への魂の移住だそうな
俺が選ばれたのは特に理由などなく、”たまたま”だそうだ
ゲームの様にステータス画面が見えるのはアシスタントのスキルのおかげらしい
魔法も存在する世界で、剣と魔法のファンタジーとは嬉しい話である
魔法を使えないか聞いたら、使えるようになれるというので休憩中に練習する
(指先に炎のイメージして、頭の中に浮かび上がる呪文を唱える?)
(はい、イメージと呪文です)
シスが言うには魔法はイメージと呪文との事である
魔法と聞いて一番イメージしやすいのは炎の魔法だと思う
ライターの火や蝋燭の火が人差し指から出るイメージが思い浮かべやすい
土や水や風をイメージするよりはるかに簡単である
左手の人差し指の指先に炎…炎…ユラユラ蝋燭の炎…炎…ユラユラ蝋燭の炎…炎…
集中、イメージする
しばらくすると、頭の中に呪文が浮かぶ
”火よ、火よ、灯の火よ、大気揺らめく、火の穂、現れり”
なんと、これは恥ずかしい
(火よ、火よ、灯の火よ、大気揺らめく、火の穂、現れり)
恥ずかしいので、口に出す前に頭の中で唱える事にする
すると
左手の人差し指の指先に蝋燭の火の様な、ライターの火の様な炎が現れる
言わなくていいのかと考える
炎は指を左右に振っても消えない、強く降っても消えない
指先は幾らたっても熱くならない
右手の人差し指を近づけても、熱くない
炎の中に指を入れても熱くない
これは、たしかに魔法であると感じる
しばらく指先の炎で色々試す
…
ふいに消すにはどうすれば良いのかなと考えたら、火が消えた
また、指先に火を付けてみようと考える
左手の人差し指の指先に炎のイメージ…炎…炎…蝋燭の炎
集中してイメージすると左手の人差し指の指先に炎が灯る
呪文はいらないのかと考える
火が消えるイメージをすると、火が消えていく
炎…炎…蝋燭の炎…炎…炎…
指先に炎が灯る
ふむ
イメージか…では呪文は?
(シス、呪文は唱えなくても魔法が使えるの?)
シスに質問する
(はい、魔法はイメージで発動します)
シスは魔法の発動はイメージだと言う、では呪文は?
(では呪文は何のためにあるの?)
シスに呪文について聞いてみる
(はい、呪文は魔法を取得するのに必要です)
(本来であれば魔導書や魔法の巻物から魔法を学びます)
シスの説明では呪文を知らなければ魔法は発動しないはずである
しかし俺は、イメージして呪文が頭に浮かんでいる
説明とちがう
(シス、俺はイメージで頭に呪文が浮かんでいるのだけど?)
(はい、東雲真人様が希望の魔法が取得できるように呪文は此方で用意しています)
なるほど、アシスタントの能力なのねと納得する
いつのまにか左手の人差し指の指先の炎が消えていた
しばらくは魔法の練習をするとする
ただ漠然とイメージするより名前を付けたほうが魔法をイメージしやすかった
(ファイア<火>)
炎…炎…蝋燭の炎
左手の人差し指の指先に火が付く
(ファイア<火>)
炎…炎…蝋燭の炎
左手の中指の指先に火が付く
(ファイア<火>)
炎…炎…蝋燭の炎
左手の薬指の指先に火が付く
(ファイア<火>)
炎…
左手の小指の指先に火が付く
はやっ
(ファイア<火>)
炎…
左手の親指の指先に火が付く
やけに簡単にできるようになるがこれも転生者だからなのかと考える
左手の人差し指の指先以外の炎を消す
指先から炎を投げて、少し先の石にぶつけるつもりで左手の人差し指を振るう
炎はスゥーっと空中を滑るように移動して目標の石にぶつかり炎が弾ける
なるほど転生者凄い…あと、イメージね納得納得
立ち上がり、右手の人差し指の指先に炎のイメージ
(ファイア<火>)
目についた石に向かって肘から先を振る
そのままイメージの通りに炎が進み、石に着弾し炎が弾ける
イメージしたまま、リアルタイムに炎が移動した
なるほど、利き腕の方がイメージしやすい
・
次の休憩までは歩きながら水と風と土の練習をした
一度コツをつかめば、後は要領は同じである
歩きながら茂みに向かって指先から水を出す
足元の石に指先から砂を出して掛ける
道に飛び出している小枝を見たら風で切断する
楽しい、とても楽しい
思うとおりに操れる、自分のイメージのようになるのが楽しい
止まって撃って
歩いて撃って
走って撃って
振り向いて撃って
見ないで撃って
左右の指で撃って
ガンマン気分でノリノリである
「バババババッ」
だとか
「ズキュン、ズキューン」
などと擬音を付ける
さらには、五本の指で撃つ
両腕を前に真っ直ぐ伸ばして両手の10本の指で撃つ
…
ちょっと恥ずかしくなって、やめた
喉が渇いたので小道を川まで下りてしばしの休憩
川の水は冷たくて美味しい
土魔法で椅子をイメージして、座れるモノを作る
四角い…立方体の…イス…スツール
(ロックチェア<石の椅子>)
河原に転がっている大き目の石が四角いイスに作り変えられていく
何処かのパンと叩く錬金術師的な感じである
イスに座りながら空中に炎を生み出す
少し離れた空中に
川の向こうの空中に
左を向いて、視覚の外の右側の空中に
少し離れた石の上に
川の向こうの石の上に
左を向いて、視覚の外の右側の石の上に
結果は、だいたい25メートルの範囲内で視認が条件
いや、もしかしたら視認できるのなら数キロ先でも発動できるのかもしてない
しかし見えていない石の上にも炎が出たのでやはり…イメージかと考える
空中は位置的に、遠近感しだいで誤差が出るようである
作る数はいくつでも作れた
魔法の練習の初めの時は一瞬目の前が白くなったのでよくあるMP枯渇かと考えた
しかし、ステータスにもMPの項目は無かったので違うのだろうと考える
では、魔法は使いたい放題なのかと疑問が出来てシスに聞くとする
(シス、魔法の使用回数に制限は無いの?)
(いえ、精神力により使える回数が変わります)
(俺の精神はEだけど、幾らでも魔法が使えるけどそんなものなの?)
(いえ、東雲真人様の精神力だけではこれまでの魔法の発動できませんでした)
(でも、問題なくできてたけど?)
(はい、東雲真人様が希望するだけ魔法が発動できるようにスキルを追加しました)
(ほう、ステータスオープンっと)
名前:東雲真人 (21歳) 状態:正常 レベル:E ランク:S
筋力 E 体力 E 器用 E 敏捷 E 精神 E 知識 E 運 S 信仰 F
スキル:転生者 アシスタント 使用精神力軽減 精神力回復
(なるほど、使用精神力軽減と精神力回復が追加されている)
シスの補佐はお俺に聞くことも無く至れり尽くせりのようである
何故にここまでの優遇が有るのか?
俺がここに来た理由は何なのであろうか?
ここにきて魔法が楽しくて忘れていた疑問を思い出す
(それで、シス…転生者は何をすれば良いのかな?)
(はい、使命はありませんので自由に過ごしてください)
(転生者なのに?)
(はい、転生者の存在は良くも悪くも”切っ掛け”となります)
”切っ掛け”ね
(過去に転生者は居たのかな?)
(はい、現在も東雲真人様を含めて3人ほど転生しています)
(ほう…その人たちは?)
(申し訳ありません、お答えできません)
(そうなんだ)
これだけの能力を持っていながら使命がない
普通なら魔王の討伐だったり邪神の封印が定番であろうにと考える
しかし目的は無いわけではないらしい”切っ掛け”とシス言っていた
いったい何の切っ掛けなのやらである
考えても仕方名が無い事は考えない、魔法の練習に戻るとする
魔法の効果時間は意識が有れば継続するようである
作ってある炎を”忘れる”と炎はいつの間にか消えていた
炎に意識が有れば、炎はあり続けている
しかし、さきほど作った椅子は”忘れても”消えていない
物質として存在するモノを使えば消えない
ちなみに魔法で出した土も消えた
これに気が付いたのが水魔法で
喉が渇いたので、水魔法で水を出したが飲めなかった
それで川に下りて休憩にしたのである
改めで思い出せば魔法の火も服や茂みは燃えなかった
魔法で出した火は物質的には火ではないようだ
同様に魔法で出した水も水ではないようである
しかし、土魔法で石を椅子に作り変えることができる
同様に水魔法で小川の水を操作することもできる
ホント、魔法とは不思議なものである
しかし腹減った
どうやら此方の世界でも腹は減り喉は渇くようである
朝にコンビニに行った理由は朝めしの購入である
取りあえず小道に戻り、村に向けて歩を進める
(シス、転生者は珍しい世界かな?)
(はい、転生者と言っても笑われます)
(そうだよね、この格好は平気?)
(はい、一般的ではありませんが何かされることは無いと思います)
(一般的でないか、魔法使いって事で通用しないかな?)
(はい、変り者の魔術師であれば通用するかもしれません)
(変人って事ね、なるほど)
魔法の練習をしながら、シスと話す
小一時間ほど歩いて、そのうちに村が見えてくる