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2年前 出会い

※残酷描写オンパレード

注意⚠

僕は生まれた時から親の顔を知らない。

知っているのは自分が女顔らしいことと、裏の人身売買で盥回しに売られてきたこと…

そしてこんな身の上だからこそ、あの日、あの人に合うまで僕はいつ死んでもおかしくなかったんだ・・。


二年前 満月の夜

僕はその当時僕を買っていた男性(太っていて額がいつも脂ぎっていた)に顔が女みたいだからと重労働はさせられず、五体満足でただただ側付きとして側に立つことを命じられていた。

口はきかない。睨んでもダメ。

ご飯が欲しけりゃ黙っておくべし。

それが日常。

それが平和だった。

あの日男は廃屋で自分が雇った男達に大きな木箱(人一人が中に入ってそうな)を山積みにしていた。

中には何が入っているかなんて分からないけど…見た感じ宜しくない品なんだろう…ってレベルには頭で判断していた。


この国には裏での売買や世間様で言う所の犯罪行為においては警察や騎士団よりも厄介な連中がいるらしい。

警察というのはいわば善良な市民のための避難所

騎士団は警察には手に負えない犯罪組織や犯罪行為を取り締まる所

そして、厄介な連中というのが裏組織の中で1番危ないと言われる所…らしい。

名前は忘れたけどなんでも血の雨がどうたらこうたらで・・・

とりあえず超危険なのだそうだ。


「お前ら、さっさとブツを運んで俺の身を安全に保障しやがれェ!!」


男が椅子に座りながら怒鳴り散らす。


「金は払ってンだァ!!ちんたらすんなや!!!」


男の声に雇われた奴らが汚い笑みで「ウッスっ」と答える。

男はその反応に快くしたのか、脂ぎった手を僕に伸ばす。

気持ちが悪い


「おい、お前なんか言いたいのか?あぁ?」


ーっ!

しまった。やばい。顔に出てしまったか。

取り繕って笑顔を向ける。


「お前さんはいったいいつからそんなに偉くなったのかねぇ?このゴミムシが!!」


ドガッ!

椅子から立ち上がった男は怒りのままに僕の腹を殴る。

空気が口から零れでる。


「ーコホッ」

「お前はゴミだから仕方なしに買われてんだろが!」


姿勢を崩した僕を今度は蹴り着ける。

痛みが身体を走る。

クスクスと雇われた男達が嘲笑う。

何度か蹴られたあとに男は満足したのか、また椅子に座って荒くなった呼吸を整える。


「ずいぶんと乱暴なのね♪」


どこからか楽しそうなそれでいてよく響く女の声がした。


「!」

「!、だ、誰だ!!」


男は声を荒らげる。

男達は懐から短刀やら銃を取り出すのが微かに見えた。

うつ伏せの状態から腹を押さえながら起き上がる。


「誰?誰と言われても困るわ。」


女の声は山積みの木箱の上から聞こえる。

視線を上げれば、月を背景に1番上の木箱に座る人影がある。


「クッソ!死ね!」


男の一人が人影に向かって発砲する。

その音にビクりとして一瞬目を瞑った。

人影はそこにはなかった。

撃たれて倒れた音もなく…


「改造銃の割には機能性が低いのね。」


背後からそんな声が聞こえた。


黒い髪はしなやかみ靡き、髪と同色のパーカー、スカート、靴下、靴。唯一の色違いは透き通る肌の色と白いワイシャツ。

手には先程発砲された改造銃とシルバーが輝く銃が握られている。


「飛距離はそこそこ。撃つ人間の狙撃性はマイナス5?くらいかしら。」


女性を認識するや否や男達は各々の武器を女性に向ける。

でも、女性はそれを気にする素振りもなく独り言を続ける。


「改造性はぼちぼち。まぁ、博士には及ばないか。んー。惜しい代物でもないか…」

「な、なにをグダグダ言ってんだよ!」


改造銃の銃先を女性に握られているのをお構いなしに男がもう一度発砲する。


「状況判断力1、身体能力2」


女性は引き金が引かれるよりも早く手を男の腕に伸ばし捻る。

捻り上げた男の腕はそのまま顎下へ

男はその一瞬に対処出来ず、自ら引き金を引く。

そうして2度目の発砲は男が自ら命を絶つ音に変わった。


ドシャッ


女性が手を離すと男は崩れ落ちたまま起き上がらなくなった。

あぁ、やばい。

さっきのよりも断然危ない。

身体が警報を鳴らす。

でも、動けない。

足が竦む。へにゃへにゃと床にへたり込む。


「貴方達に私は殺せない。」


女性は微笑みながら、諭す様に口を動かす。


「我が組織の命令に従い貴方達を速やかに排除します。」


それを合図に男達は発狂しながら女性に襲いかかる。

女性はそれを交わすと同時に再起不能にしていく。

銃弾よけの盾替わりに使ったり、敵の攻撃をそのまま使ったり、蹴り飛ばしたりと30人近くいた男達はあっという間に3人になった。

途中、逃げようとした者は見えない糸で釣り上げられるようにして空中で手足をダラりとしている。


「な、な、な、なんでこんな奴が!!」


流石に椅子に悠長に座っていられなくなった男は僕に「守れ」的な事を叫んで裏口に走って逃げた。

その間に女性の足元には2人の死体が転がる。

残りは僕と男達の中でリーダー格の奴だけ。


「あんた、名前は?」


リーダー格の男は苦笑いをひきつらせながら一歩、一歩後ろに下がり距離をとる。


「?今から死にゆくのに知る必要が?」


女性は心底不理解と言った表情で男に問う。


「あんたがもし俺が考えてる奴と同一人物なら逃げ場がないが、違うならまだ勝機があるんでな」

「ふ〜ん。そうなんだ。それはそれは。」


女性は退屈そうに欠伸をする始末。

男はそんな女性を睨みながら尚且つ話を止めない。


「あんたらの組織ってのは『rain full』だろ?」

「・・・」

「通称・レイフル。レイフルは表も裏も牛耳るやり手組織。そして、各部署ごとに名前が違う。」

「・・・」

「護衛ならガフル、医療はケアフル、事務ならワフル、実務はバイブル、暗殺なら・・・」

「blood rain full」


女性が綺麗な発音で答える。

男の背中に緊張が走る。


「人によって言い方は変わるけど『血塗られた全ての雨』私はそう解釈してるわ。」


女性が一歩前に出る。


「でも、そこまで知っているのは珍しい。誰か内通者がいるのね。」


フッと唇が釣り上がる。

楽しそうに。


「ーっ。それはどうかな?」

「どうでもいいでしょう?貴方にすれば」


男がそこで一気に間合いを詰める。

短刀が女性の蹴りで弾き飛ばされる。

だが、背中に隠し持った改造銃を3発撃ち込む。


ダン、ダン、ダン


男はそのまま床をスライディングして女性の背中側に滑り込む。


女性は微動だにしない。

死んだ…のか?

いや、死んだなら血が出てもおかしくないのに、血は滴っていない。


「話の途中に撃つのは止めてくれないかしら?」


女性はくるりと背後の男の方を向き3発撃つ。


「グワァァァァァァァ!!」


男が足と手を押さえて叫び出す。

左手に一発

右太腿に一発

左膨ら脛に一発

的確に撃ち抜いていた。


「あぁぁぁぁぁな、何故だ。3発撃った筈なのに。」


男は顔を歪めながら這いつくばった状態で女性を見上げる。


「?確かに撃たれたけど3発とも当たらなかった。だから無傷。それだけでしょ?」

「ど、うやって」

「あぁ。そこからか。」


女性はめんどくさそうに男を見下ろしながら首をポキポキならす。


「足元…正確には後ろに倒れてた屍が持ってた短刀をはね上げて一発目は回避。二発目はクナイを取り出して投げ飛ばしたのがぶつかって回避。3発目は銃弾で回避。」

「莫迦な。」

「そうだね。莫迦みたいだけど私らはこれぐらい出来なきゃ生きていけないの」


ヤレヤレと女性は首をふる。


「貴方が最初に言ってた私の名前ね。よく言われるのは『月夜に現れる血塗られた黒を纏いし女』だから『黒露の精霊』だってさ。」


男の顔から血の気が失せる。

ただ血が流れているからとかじゃなくてみるみる真っ青になる。


「やっぱりお前が…」

「Good night♪」


バァンッ


男の体が小さく跳ねて動かなくなる。

女性は髪を手で払い除けながらくるりとコチラを向く。

次は僕の番なんだ。

未だに頭の中ではワァンワァン警戒警報が鳴り響いているけど身体は1ミリも動かない。

あの女性が現れてからまともに瞬きすらしていない。

だって、目を瞑れば殺されてしまいそうで…


「まだ、生きていたの?」


女性は憐れみを含んだ目で語りかける。

一歩、一歩、近づく。

何か言わなきゃと口を開けるも、乾いた喉が引きつって声が出ない。

あぁ、どうしよう。


「ま、ま、待ってくれ!!」


男の、僕を買った男の声が聞こえた。

確か裏口から逃げたのでは?


「裏口に逃げたから坂下が殺す手筈じゃなかった?」


女性は男から視線を外し、男の奥。裏口の方を睨む。


「まぁ、そのつもりだったが護衛を盾にして逃げたんだよ。ってか、そのデブは拷問だから殺せないだろ。」


流石に気になって、自分の状況をさて置き顔を裏口の方へ向ける。

スラリと伸びた高身長。

左腰に刀を納め、黒い軍服とスーツの掛け合わせた長袖長ズボンに袖を通し、赤茶の短髪が月光によって燃える炎の様にも見える男の人は女性にしかめっ面で返答する。


「そうだっけ?まぁどうでもいいから早く片付けようよ。」

「そうだなぁ。」


そして、男性の視線は男(彼曰くデブ)に戻される。


「おい。クソデブ。五体満足で拷問受けるなら大人しく着いてこい。嫌なら腕と足が一本ずつ失くなる。どっちか選べ。」


男は体をズリズリと引きずりながら鼻息荒く恐怖からかヒィヒィと声を漏らす。


「な、ななんで私がお前達に拷問されなくてはならんのだ!やったのはあいつらだろ!?」


男は叫びながら転がった死体の山を指さす。

男性は呆れたと言わんばかりに軽蔑の目を向ける。


「何故?それは貴方が1番知ってる。あいつらは貴方が雇った。だから主犯は貴方。レイフルの目を盗んで密売仕様だなんて馬鹿だね〜」

「密売なんて!」

「改造銃50、爆弾まがい30、薬物5種が20袋ずつ。これを裏社会でしかも他国相手にやろうとしててどこが密売じゃないのか理解に苦しむんだけど?」


女性は淡々と口にする。

男は顔を真っ赤にしながら「私は悪くない」とブツブツ口にする。


「どうすんのコレ?」

「さぁ、気絶させて運ぶか?」

「ヴェェ、私触りたくないんだけど」


女性と男性が男を挟んで話し合いを繰り広げる中、男が「コイツらが居なくなりゃ…」そんな一言が聞こえた。

その声に耳を疑い、男を見れば、男は懐から黒いホルムの銃を手に取り女性に向けようとする。

女性は気づいてない。


だめだ。


気づいたら飛び出していて、女性は飛び出した僕にびっくりした顔をした。

女性に覆いかぶさる形で抱きつく。

その瞬間右肩に今まで感じたことのない衝撃と衝撃の後から身体全身が熱くなるような痛みに襲われた。


「!! 〜〜」

「〜〜!」


誰が何かを言った。

そのあとになんか音がしたけど僕の記憶はそのままフェイドアウトしていった。

あぁ、でも死ぬ時に誰かを守れたならいい最後なんじゃないかな。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


今日の依頼は組織からのもので、密売人を捕獲し、拷問。関係者は殺せ。との内容だった。

関係者=武装運び屋は30人

雇い主は太った男

たぶん隣にいるみすぼらしい服を着た男の子は人身売買で飼われてる子だと思った。

私が視察にきているのも気づかないからそれほど強い相手では無いのは一目瞭然で…

手慣らし程度に遊ぼうと思った。


声をかければいきなり発砲。

でも、それはいつもだいたい同じ。

床に足をつけ、先程撃った男が持つ改造銃の銃先を握る。

改造銃の割には機能性が低い。

飛距離はよいが狙撃手の肩に反動がきていたから反動が大きい。

狙撃手のセンスはイマイチ

まぁ、これぐらいの銃なら博士が作る改造銃の方が機能性も安全性も上だろう。

そう考えていると、男達が私に武器を向ける。

殺意を持って。

だが、ここまでにおよそ3秒弱かかった。

あまりにも遅い。

男が発砲仕様としたから、手を捻りあげ顎下に添えてあげたら自滅した。

なんとたわいない。

そんなんじゃ、


「貴方達に私を殺せない。」

「我が組織の命令に従い貴方達を速やかに排除します。」


それを告げれば男達は我先にと敵意を向ける。

でも、それは長くは続かずあっという間にあと一人。

途中逃げ出す輩がいるだろうとワイヤーを張り巡らせて正解だ。

宙ずり死体が5、6体は見れる。


「あんた名前は?」


リーダーとおぼしき男が話しかける。

どうでもいい。

だけどぺちゃくちゃ長々とよく喋る。

半分以上は聞いてなかったが、男がレイフルの各部署ごとに名前が違うことを言い出した時には内通者がいることが判明して頭が痛くなった。


内通者=裏切り者は裏社会では最大禁忌の一つ。命があることが許されなくなる行為だ。

そして、その掃除をするのは私だからこそ内通者発覚が一番嫌いな仕事内容でもある。


だからどうせ死にゆく人間相手にならいいだろうと自分の考えを口にした。

その場のノリ?みたいな感じで。

まぁそしたらいきなり3発発砲されたから軽く対処して、逆に腹いせで3発撃った。

呻く男をそのまま撃てばよかったのだろうが、彼は内通者発覚の情報をくれたから真名は言わずとも忌み名である『黒露の精霊』を教えてた。

自分でも毎回思う『黒露の精霊』って痛いなと。でも、通り名だし。

私が付けたんじゃないし。

そうして、男の頭を撃ち抜く。


振り返り、裏口に足を向ければ裏口からデブが腰を抜かして体を這いつくばらせながらこちらに進んでいる。


「まだ、生きていたの?」


デブの顔がみるみる真っ青になる。

脂ぎった額が変に輝いていて気持ち悪っ。

男が「待て」だのなんだの言う前に裏口にいるはずの相棒に話しかける。


「裏口に逃げたから坂下が殺す手筈じゃなかった?」


坂下と呼ばれた男は組織特注の制服に身を包み組織の狗デス!と公言しているようで馬鹿らしく思う。

そこまでの忠義が私には少なくとも組織はたまた上にはないから私は制服を着たことがない。

これからも着るつもりは無い。

だから私の服装は自分が動きやすい服装でしかない。


坂下は私の問いかけに答え、男に向き合う。

五体満足拷問コースか五体不満足拷問コースか。

私からすれば五体不満足拷問コースの方が断然この男を運ぶのは楽だからいいのだが…

選択権を与えるところが坂下の優しさで甘さでもある。

するとその優しさの前に男はあろう事か自分は悪くないと言い出した。

仕方ないから教えてやるか。


「何故?それは貴方が1番知ってる。あいつらは貴方が雇った。だから主犯は貴方。レイフルの目を盗んで密売仕様だなんて馬鹿だね〜」


男は驚きと困惑、必死がおり混ざった顔で弁解する


「密売なんて!」


おそらくこの男は私がいつから視察していたかを知らない。

正直、箱の中身を確認できるレベルの時間視察していたのだ。


「改造銃50、爆弾まがい30、薬物5種が20袋ずつ。これを裏社会でしかも他国相手にやろうとしててどこが密売じゃないのか理解に苦しむんだけど?」


だから運び屋しか知らないだいたいの密輸品の個数だって答えられる。

男は黙りになる。

呆れて坂下にどうするか尋ねる。

どちらが気絶させるか話していると、いきなりそれまで害がないからとガン無視決め込んでた男の子がいきなり私の方へ飛び出してきて、抱きつかれた。

驚きは一瞬。


バァンッ


聞き慣れた音が響き、男の子がズルリと床に落ちる。


男の手には黒いホルムの銃が。

銃先は私に向いて。

だが、打たれたのは男の子。


「ーっ!クソがっ!」


叫ぶかたちで出た言葉に男の顔に汚い笑が浮かぶ。


させない。


二発目が発砲前に、銃口に向けてシルバーホルムの愛銃を撃つ。

続けて男の左肩に一発。

後ろにいた坂下が背中から切りつけ、そのまま右足を切断する。

愛銃が撃ちはなった銃弾は男の銃口に入る。それを対処せずに2回目の引き金を弾いたことで男の右肩が脱臼する。

男は3秒の間に全身を痛みが駆け巡り神経回路がショートして気絶した。


「おい、どうする?その子肩を撃たれたろ?」


坂下の声で床に寝転んだ男の子を仰向けにして心音と体温を確認する。

血の量は輸血すればまだ間に合う。

撃たれたのはたぶん太い血管が通ってたところだが、運良く血管自体が損傷はしてない。

ただ、弾丸が肩を貫通していないから肩に入ったまま。

動かしたくても動かせない。

もし、動かして血管に傷が出来ればこの子は助からない。


「坂下。橙子と塩さん呼んで!」

「お前…その子を助けるのか?」

「助ける。」


坂下と視線がぶつかる。

この子を助けた場合、この子を始末しなくてはならない可能性を考慮すれば応急処置して此処に置いておくのが妥当だが・・・


「この子は私が面倒を見る。拾いものは先輩譲りだからね。」


ニィッと笑ってみせる。


「・・・どうせ俺が言っても聞かないだろ。」

「もちろん!!」

「・・・お前、覚えてろよ。」


坂下はため息をつくと無線機を通して橙子と塩さん、それから担架を手配してくれた。


「ナノが拾いものとは珍しいですね〜」

「お嬢にも初恋か?」

「こいつに恋されたら夢も醒めるわ」


担架で少年を運ぶ際に皆が様々なことを言いながら車に運ぶ。

運転席の白髪混じりのガタイの良い35過ぎの男性は塩田正也さん。通称・塩さん

助手席には相棒でもある坂下・・・坂下勇人。

担架を挟んだ向かい側で少年の肩の弾丸を取り除いているのが橙子。

この3人は私が所属部隊の同班メンバー

つまり今日の依頼達成メンツ


カランッ


血肉が付着した弾丸を銀色のトレーにピンセットと共に橙子が投げ入れる。

それを合図に塩さんは車のエンジンを唸らせ、本部へと車を走らせる。

橙子は包帯で少年の肩口を塞ぎながら小さく「大丈夫ですよ〜」と私と少年を交互に見ながら口にする。


女顔のか弱い身体の少年。

年齢は10歳以上。

武器を持たせるには体力が無理だろう。

事務はまず言語がいけるか分からないから無理。

情報化はたぶん情報ミスするのが関の山。

さぁて、この子をどこに配属しようか。

まぁそもそも私の拾いものの時点で彼に平穏な道はなくなった訳で…


「い〜こと思いついた!」


満面の笑みで少年を見つめる。


そんな少女・ナノが笑顔な一方、車内の3人は背中に冷や汗が流れ落ちた。

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