とあるアパートの三週間 絶望のカウント
俺は自分のベットの中で目が覚めた。夢だったのか?と思い、ハハ…なんだよ~怖い夢だな……そうして濡れた体を拭こうとタオルを取りに洗面台に向かうと目の前にある鏡を見た。
俺の首の部分に手形がくっきりと赤く映っていた。
「なんだよ……この手形は……」
俺は突然のことに驚きつつ、首筋を見ているとその赤い手形が動いていることに気づいた。
その赤い手形は、首から顔そして口の中に入っていく。それから一分ほどして何もないのかと思った瞬間に凄まじいおう吐感に苛まれ、トイレに駆け込んだ。目に涙が溜まり、涙と涎が混じる中吐いていると……誰かも分からない長い髪の毛と血が混じったものを吐いていた。
「うわぁぁぁぁ……おぇ」
再度吐くと、胃液混じりの昼に食べたものを何度も何度も吐き出していた。
胃の中にあるものを全て吐き出した後、何もない腹を擦りつつ鏡を見ると、風呂場に知らない黒髪の長いやせ形の女性がいた。あまりの恐怖に後ろを見ることが出来ないでいると女性こちらへ向かってきた。
ピタ……ピタ……ピタ……と近づいて来る物音に俺はもうダメだと思い目を閉じるとその足音は消えていた。
現在に戻る……今思い出しても嫌な思い出で溜息しか出ないが、どうにか気を抑えることが出来た。気分でも落ち着かせようかとクリアしていないゲームや俺の学校から出されていた課題をやっていると、十九時を回っていることに気付いた。
飯でも買いに行こうと思い、玄関を開けて階段を降りようとすると、階段の最下段に子供がいた。どうかしたのか?と思い、降りようとすると、こっちに指を向けてきた。ん?俺は後ろを見てみると血だらけの人がいた。
「うわぁぁぁぁぁ」
ドタドタドタ……階段から転げ落ちた。
クラクラする頭をなんとか戻しつつ階段を見上げると高田が申し訳なさそうに階段を下りているのが見えた。
「ごめん、ごめん、吉田がそんなに驚くとは思ってなかったわ」
俺は、高田に抱き着いて死にそうな声を上げつつ、高田を殴った……
「それで何があったんだ?お前がそんなになるって余程のことだろう」
俺は、ある日の出来事を高田に話した。
「それは、大変だったな~そういうことは、ぱぁ~とやって忘れるに限るぜ」
そう言ってくれる高田に俺の心は救われた。
一緒にノンアルコールの飲み物を飲みつつ、高田と会話を四時間ほどしたあたり、高田が眠いと言い出したので毛布を渡し、俺が歯を磨きに行っていると寝ていた。グーグーといびきを立てる高田を見ていると自分がアホらしく思い、俺も寝ることにして布団に入る。
「なんだったんだろう……あれは」
「むにゃむにゃ」
寝ている高田にも心配されて俺は、溜息をこぼしつつ寝た。
起きると、高田がいないことに気づき、少し探すとテーブルに紙がおいてあった。
「明後日にまた来るぜ」と書いてあった……俺はフフっと笑い、お前は頼もしい奴だよ……と俺は学校に行く準備をした。
何事も起きず、数日が立っていた。




