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奴隷少女~奴隷からの解放 編~

続きません。

異世界からの巫女、聖女、勇者などの召還と言えば聞こえはいいですが、ようするに異世界から強制的に拉致し奴隷にすると同意義語だと、この世界の人たちは全く気付いていません。

私はこの世界に来た時、元の世界に戻ることも、恋をすることも諦めました。

自分から諦めたのではなく、そうせざるを得なかったのです。

これは、この世界を救えば元の世界に戻れると言ったこの国の王様を表情を見た時に戻る方法が存在しないと覚ったからです。

私はこの世界では、『異邦人』。

この世界の常識は子ども以上に何も知らないのです。

私のこの世界での役目は、瘴気を浄化する『巫女』。

これを言われた時にふと思い出したのです。

この世界に召喚される前に妹と一緒にしていた『ドキドキ☆LOVEの女神様!』という乙女ゲームの世界だということに。

「腹筋崩壊のゲーム!?」と大笑いしながらしていたら、妹に睨まれました。

私は、荻元静香。この世界では、かつて巫女という名の奴隷をしていた女子高生。

すべてを諦めた私は誰のルートに行くこともなく、生きるために淡々と瘴気の浄化を続けていました。

その時に、信頼する侍女を得たことはとても幸運なことでしょう。

彼女の名は、アザミ。元暗殺者。

通常、暗殺者は失敗すれば自分が所属する組織に始末されます。

私は、旅の仲間たちの了解を得て大怪我を負った彼女を介抱しました。

しばらくして、アザミが目覚めて自分は暗殺者だから関わらない方がいいと言ってきました。自分がいれば、組織に狙われるからと言って。

私はアザミを説得し、旅の仲間たちに気付かれないように出発し、彼女の組織を目指しました。

アザミの所属する組織に着くと、組織のトップに会えるようにお願いします。

組織のトップに会うと、私の状況を説明し、イヤな予感がするので、アザミを護衛に雇いたいと言いました。

彼は、私の状況が奴隷まがいであることに理解を示し、アザミを侍女にしろと提案してきました。

それに、「いざとなればここに逃げてこい」と言ってくれたのです。

今思えば、私よりも私の状況を正しく理解していたのでしょう。


乙女ゲーム期間が終わった後には、強制的にこの国の第一王子アストラムとの結婚でした。

拒否することさえ許されませんでした。

王子は愛を囁いてくるのですが、私は笑顔の仮面をつけて愛に答えるふりをする。

ウンザリするのですが、アザミがいてくれるおかげで何とか正気を保っています。


そんなウンザリしかしない日も、ある日突然終わりを告げる。

誰からも愛される姉とかわいい妹の舞香が来たからです。

愛される姉は、自分が一番でないと気がすまないため、甘言を囁き周りを自分の思い通りにし、私がきっちり巫女としての役目を果たしてないと嘘を吹聴する。

実は瘴気と言うのは、人がいる限り増え続ける物です。

この世界の瘴気は、『人の悪い心』を栄養源にするからです。

なので、永遠に無くならない。

これは、巫女の修行をしている時に先生に教えてもらったことです。

そして、無理をして一気に瘴気を浄化すると命にかかわるから絶対にするなと厳命されました。

誰からも愛される姉は、体で誘惑し関係を持った神官長に私が「瘴気を一気に浄化しないのは、役目を果たさず王子の傍にいたいからだ」と言わせました。それを聞いた王子は、激怒したそうです。

体の関係を持ったというのは、あとからアザミに聞かされたことです。


夫である王子と元旅の仲間たちは姉を守るように立ち、王によっていわれなき罪で私は断罪されました。

そして、一気に瘴気を浄化することを強要。

舞香を人質に取られ、私は瘴気を一気に浄化するしかありませんでした。

結果、死にはしなかったのですが、瘴気を浄化する能力がなくなり、声と口がきけなくなりました。

王子は心配して連日見舞いに来るのですが、私は冷めた目でしか彼を見れません。

あんなことをすれば、当り前でしょう。

王子は、「まだしゃべってくれないのか...」と落胆して言うのですが、アザミは私の言って欲しいことを感じ取り、「静香様はあのあと、遺症で瘴気を浄化する能力がなくなり、声を出すこともできず、口を聞くこともできず、耳も聞こえません。どう、責任を取るおつもりですか?」と私を庇いながら王子に厳しく言いました。

王子は俯き顔を青くして、部屋を出て行きました。

アザミによれば、私が瘴気を浄化することを強要され気絶したあと、愛される姉と舞香が別々に地下に監禁されたそうです。


アザミは、組織と連絡を取っていたようで城からの脱出計画を話してくれました。

もちろん、舞香も一緒です。

実行は、王と王子と元旅の仲間たちがすべて留守にする数日後。

アザミはただの侍女だと思われており、私の部屋の前には一切警備が敷かれていません。

私が警備をされているのが落ち着かないため、めてもらって別のところの警備強化をして欲しいと言ったためです。これは簡単に許可してもらいました。


数日後、組織の手引もあり静かにアザミと舞香とともに城を脱出しました。

組織に着くと、組織のトップが歓迎して住む場所も提供してくれました。

私と舞香は、元の世界に戻れる方法がないので、暗殺業をしない人たちのお手伝いを教えてもらいながらしています。



ウワサによると、あの国は私をこの国に召喚した女神の怒りをかい、すべての加護を失くしたそうです。

このことが原因で国は大いに荒れすさみ、国が滅びるのも時間の問題だそうです。

【荻元静香】

ごく普通の女子高生。

このあと、静香は元の状態に戻ります。

ですが、瘴気の浄化の能力は戻りませんでした。


【荻元舞香】

乙女ゲームが大好きな静香の妹。

乙女ゲームが現実になった世界の攻略対象たちにショックを受ける。


【荻元愛羅】

すべてに愛される女。

作中では、『愛される姉』『姉』としか書かれない。

自分の思い通りにするため、攻略対象たちや権力がある美形の男たちと体の関係を持った。

ちなみに、元の世界でも同様のことをしていた。

最期は、ろくな死に方をしない。


【アストラム】

旅の期間中、自分に媚びない静香に好意を持つ。

他の仲間を蹴落とし、静香と強引に結婚。

あとから来た、愛羅に魅了された。

愛羅と体の関係をもったあとは、静香を邪険に扱う。

このことに後悔しているが、すでに手遅れ。


【アザミ】

任務に失敗した時に、静香に助けられた暗殺者。

静香に心酔している。

静香が巫女の役目を無理してこなしていることに気付いていたため、静香に瘴気の浄化を一気にさせる道具として舞香を人質にすることを躍起にする者たちの目をかいくぐり、組織に連絡を取っていた。

組織に戻ったあとは、暗殺者に戻らず静香の護衛を継続中。


【組織のトップ】

名前は、ハイド。

アザミを殺そうと刺客を差し向ける準備中に、静香が組織を訪ねて状況を聞かされ、アザミを殺すことを断念。

静香以上に彼女の状況を理解していたため、アザミに護衛を命じる(表向きは侍女)。

実は、静香は死んだ妹と瓜二つ。


【女神様】

元の世界で、すべてを姉に奪われる静香の状況を憂い、この世界でなら幸せになれるのではないかと思い、この世界に巫女として召喚。

だが、別の何かの意思で静香の姉妹がこの世界に来るのは想定外だった。

静香をないがしろにしたかの国を許せず、すべての加護を失くした。

静香は、女神様が女神様になる前の娘と瓜二つだった。

性格も全く同じなので、娘同様大事にしている。




読んで下さり、ありがとうございます。

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