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元暴露系配信王、気づけば異世界で一国の王へと成り上がる  作者: アスハネ
◆第1章「配信王、異世界に落ちる」
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6話 はじめての夜

村は、少しだけ静かだった。



さっきまでの騒ぎが嘘みたいに、



ゆっくりと、落ち着きを取り戻している。



「……こっちだ」



ダグに案内されて、村の中を歩く。




視線を感じる。




でも、それはもう――



さっきまでの警戒じゃない。




「……あの人だ」



「村長を……」



「助けてくれた……」




小声。



でも、ちゃんと聞こえる。




「……居心地わりぃな」




思わず呟く。




「慣れろ」




ダグが短く言う。




「悪い気はしねぇだろ」




「……まあな」




完全に否定はできない。






一軒の家の前で止まる。




「ここだ」




扉が開く。




中から、さっきの家族が出てきた。




父親と、母親と――



娘。




「あ……!」




娘が、ぱっと顔を明るくする。




「来てくれたんですね!」




「まあな」




軽く手を挙げる。




「さ、どうぞ……!」




母親に促されて、中に入る。






家の中は、素朴だった。




木のテーブル。



簡単な椅子。



暖炉。




でも――



どこか、温かい。




「すぐ用意しますね!」




娘が慌てて動き出す。




「手伝うよ」




「い、いえ……!」




慌てて首を振る。




「座っててください!」




……勢いがすごいな。




「……完全に気に入られてんな」




ダグが小声で言う。




「やめろ」




軽く睨む。






しばらくして。




料理が並ぶ。




パン。



スープ。



簡単な肉料理。




「……うまそうだな」




正直な感想が漏れる。




「どうぞ……!」




娘が期待するように見てくる。




「いただきます」




一口。




「……うまい」




思わず呟く。




優しい味。




空腹もあって、体に染みる。




「よかった……!」




娘がほっとしたように笑う。




「久しぶりに、まともに食べられる気がします」




父親が、しみじみと言う。




「今までは……」




言葉を濁す。




「……まあ、あの様子じゃな」




ダグが肩をすくめる。




空気が少しだけ重くなる。




「……もう大丈夫だ」




ぽつりと、俺が言う。




「しばらくは混乱するだろうけど」




「前よりはマシになる」




「……はい」




父親が、深く頷く。






食事は、静かに進んだ。




でも。




嫌な静けさじゃない。




どこか、落ち着く時間だった。






食後。




「……で」




ダグが口を開く。




「これからどうする」




また、その話か。




「……そうだな」




少し考える。




この村に残るか。




それとも――




「……俺は、行く」




そう答えた。




「ほう」




ダグが少しだけ目を細める。




「理由は?」




「まだ何も知らねぇからな」




この世界のこと。



自分の力のこと。




「動いた方が早い」




「……だろうな」




ダグは、納得したように頷く。




「なら、ちょうどいい」




「明日、町に向かう」




「乗ってくか?」




……やっぱり来たか。




「いいのか?」




「一人よりはマシだ」




ぶっきらぼうな答え。




でも。



それなりに信頼されてるのは、わかる。




「……乗る」




そう決めた。






「……あの」




娘が、小さく声を出す。




「もう、行っちゃうんですか……?」




少し寂しそうな顔。




「まあな」




「でも――」




少しだけ考えて。




「また来るかもしれない」




そう言うと。




「……はい!」




ぱっと顔が明るくなる。




……わかりやすいな。






夜。




用意された簡単なベッドに横になる。




静かだ。




現実の部屋とは違う。



でも――




「……悪くない」




天井を見ながら呟く。




今日は色々ありすぎた。




刺されて。



死にかけて。



異世界に来て。



村を一つひっくり返した。




……意味がわからない。




「でも」




目を閉じる。




「今度は、ちょっと違うか」




壊す側じゃない。




――救う側。




女神の言葉が、浮かぶ。




「……やってみるか」




小さく呟いて。




そのまま、眠りに落ちた。


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