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譬話
そうだな。譬話をしよう。
もしも、この世界に魔法使い、魔術師、ウィザード。
まあ、呼び名は何でもいいのだが、ここでは魔術師と書いてウィザードとでも呼んでおこう。
魔術師。魔法を操る存在。
大気中の魔力に干渉し、その魔力というエネルギーを目に見える形のエネルギーとして使用し、周囲に破壊、もしくは回復をもたらす存在だ。
魔法なんてのはきらびやかでも、憧れるような明るい面を持ったものではない。
いや、使い方によっては素晴らしい効能をもたらすのかもしれないが。
なにせ使うのが薄汚い汚れた汚い心を持った人間だ。
そんな使い方、できるわけがないのだ。
あくまで仮定での話ではあるのだが、そんな魔術師がもし現実世界に現れたら、一体何に使う?
医師としてか? 生活を向上させるための礎にか? 世界の技術の向上か? その力を使えない人も使えるようにするために研究するか? 否、否否――すべて否だ。
何に使うか。全く以って愚問ではないであろうか。
そうだ。
―――戦争だ。
それは戦に生き戦に死んだ者たちの物語。




