3-4 花より宴会
さて続きて訳で、一応師匠から鍛冶職人として? まあ、師匠公認の免許皆伝を貰った今宵は、師匠に恩返しを含めた桜の木下で宴会の準備をしてると、二柱のアマノカミ師匠の知り合いが現れた、さて二柱の正体は如何に。
「アマノカミ、私に黙って弟子を取るとは卑怯な!」
その一柱のたぶん高次元体は、金髪ロングで黄金の色をした爬虫類の様な目をし、若い女の子から黄色い声が上がりそうな、イケオジ容姿に深くも声に厚みのある円熟した様な声、白いローブでは分からないがどう外見を見ても、世紀末のラスボスクラスには筋肉ムキムキな気がする。
「史郎よ、アレが前に言った知り合いだ、まあ竜神だが格闘馬鹿だ」
「うるさい、格闘馬鹿ではない剣術もオーラの使い方も、色々我が眷属と時波の嬢ちゃんの所に転生した、不思議な人間を鍛えただけだ」
このイケオジな高次元体が、ルドルーラて竜神様か……………何で此処に居るか理由が分からんし、クロ達がビビりまくってるから喧嘩はやめて、あと久々に聞いた時波女神様…………その内お礼をしないとな。
そしてもう一柱、可愛らしい少しおどおどしてる、お尻まで伸びた桜色の髪と瞳にどう見てもこの世成らざる……………、まあすまないが時見女神さんより美人な容姿の、小動物的な雰囲気を感じる小柄な姫て感じだ、しかも羽衣とフワッとしたドレスの様な桜模様の着物、何故か背後に桜吹雪が舞ってる。
たぶん桜の女神とか、桜の神々を束ねる女神だろうな。
「そうですよ…………、色々な世界の桜の精霊や神を束ねたり、新たな桜を創造したりしてます……………よ?」
何故に最後は疑問符? まあ、何故に私は怯えられてるのかな?
「私は、人見知りなので……………」
意思疎通が、心を読まれての会話かよ!
「だって、人間の男の人見るの初めてだから……………緊張する…………かも?」
だから最後に何故疑問符に成る。
「・・・・・癖」
クセなら仕方ない、まあ見た目以上に小動物系な女神様らしいし、何故か小さい身長だから保護欲を掻き立てられるし、お菓子をあげたく成る衝動に駆られそうに成る。
「私は桜て呼んで……………オジサン?」
桜女神様にオジサンと言われたが、まあ名乗って無いしな…………オジサン呼ばれたが何か、久々な気がするのは何故だろうか?
「桜女神様、私は猫街史郎です、普通に史郎とお呼び下さい」
「うん、史郎…………でも女神は要らない、桜で良い……………もうお友だち」
・・・・・・フレンドリー過ぎない、桜女神様。
「違う史郎、桜だよ」
「・・・・・はい、桜さん」
「ムッ!」
膨れっ面も、結構可愛い桜ちゃん。
「ちゃんは許します」
基準が分からんが、まあフレンドリーな女神の桜ちゃんと…………
「だから女神はダメ、桜だよ」
─────まあ桜ちゃんと、何かまだ何か言い合ってるアマノカミ師匠と竜神ルドルーラ様は、料理が出来るまで何か文句を言い合ってたが、料理を置き始めると変な事を言い始めたルドルーラ様。
「史郎」
「何でしょうか? ルドルーラ様」
何か悪巧みを考えてる、イケオジの様な顔で私に言う。
「明日から二日位、私が史郎を鍛えるがまあオーラを無駄に、使い方が分かって無いで眠らせてるからな、私が使い方と戦い方のレクチャーをしてやろう」
ニヒル顔でニヤリとするルドルーラ様、そして一人墫酒を飲み始めてるアマノカミ師匠に、鱚の天ぷらをワクワクしながら待つアンナと撫子と桜ちゃん、何だろうなまだ明日は違うハードが待ち受けるみたいだ。
「まあ、それよりも鱚の天ぷらでも召し上がって下さい、白身魚を衣を付けて揚げた物ですが日本酒に合いますよ」
「そうか、それは楽しみだ」
箸を使うのは、アマノカミ師匠と桜ちゃんにアンナと撫子、ルドルーラ様は豪快に塩だけ付けて手掴みで豪快に食べる、熱く無いらしい…………流石竜神。
「ふわふわサクサクと美味い! う・ま・い・ぞぉぉぉぉ!!」
上空に向け、人の姿で口から閃光をブッ放つルドルーラ様、レーザーの様なぶっ太いブレスを放ちながらルドルーラ様は、流石ドラゴンの神の高次元体だと思うが、美味いのリアクションではない…………まあ、裸に成るよりはマシだな。
「もう少しルドルーラ様は、お上品に食べるべきですが、確かに美味しいですね。
他にもこのアスパラとサツマイモの天ぷらも、天つゆに付けて食べるもたまりませわ………カボチャの天ぷらも美味しい!」
「ルドルーラだから仕方ないのだよ、桜嬢…………あと酒のおかわりだ史郎!」
墫で日本酒を呑むアマノカミ師匠、まあもう見慣れた光景だが……………、その近くでぐいぐいとルドルーラ様は升で日本酒を呑む、桜ちゃんは見た目は十代だが普通に熱燗の甘口の日本酒を、赤漆の盃で呑んでる。
あと師匠飲み過ぎです、一升瓶を飲んで下さい…………樽売りなんて普通は無いですよ。
そしてクロ達はやはりマタタビ酒、アンナと撫子はワインやブランデーミードに、山梨と長野の地方ワイナリーのワインを呑んでた、因みに塩尻市のワインセラーのア○プスワインと、五○わいんのワインを多めに置いてあるが、別に思惑が在る訳ではないが、地元に近いワイナリーだから置いただけだ。
「史郎の世界の酒は美味いな、地球の酒は沢山在るのだな…………」
ルドルーラ様が染々酒を飲みながら言う、アマノカミ師匠は三墫目を飲み始めたが…………一升瓶は、まったく飲む気は無いらしい。
「次は海老天ですよ」
「いよ、待ってましたマスター」
「この唐揚げも美味いが、この鱚の天ぷらはもう一度食べたい」
ルドルーラ様のリクエストも在り、今日用意した海水湖の鱚はこの日まで有ったインベントリの中身は、全て無くなり追加でショッピングから日本各地の鱚を買い、撫子αとβに補助のお陰でルドルーラ様の胃袋と満足感を満たした、もう次回はおかわりはないけどね。
因みに大秋刀魚を焼いたら、桜ちゃんとアマノカミ師匠とアンナとクロ達が全て食べましたとさ、まだ海水湖に居たら良いな……………何か誰か忘れてる気がするが。
こうして宴会は夜中を過ぎ、朝焼けが見えようと続いた。
「史郎、桜て呼んで!」
「何で絡み酒になってんの?」
「グハハハハァー! 桜は酔い過ぎると気に入った相手に絡むぞ」
「それを早く言って下さい、ルドルーラ様」
私はジト目でルドルーラ様を見るが、まったく気にせずにワインをがぶ飲みするが、人間がやったら脳卒中で死ぬな……普通に。
「もう一墫くれ」
「飲み過ぎです、アマノカミ師匠!」
結局宴会は昼まで続いた、三柱が寝落ちするまで…………長いよ!
そして桜ちゃんは数日滞在し、何故かアマノカミ師匠が釣竿を造る技術や疑似餌に匂いを仕込ませ、どんな魚類も食い付く仕掛けやネタばらしに神鉄を使った、釣り針と釣糸の作り方や何処の次元の魚類も好む、匂いを発する鳥が居るとかこの世界にもモンスターで居るとか教えて貰ったが、今回はアマノカミ師匠が持ってる材料で作った。
因みに普通の釣竿に、その疑似餌を付けた釣竿でクロマグロや何故か二回り大きな伊勢海老やら、大秋刀魚を釣り上げたアマノカミ師匠とクロと桜ちゃんは、この日刺身を要求して来たのだった、わさび醤油で競うように食べてたな。
そして修行は宴会が終わった翌日、先ずはプラーナの流れを感じる座禅から始まり、暖かな身体の中心のチャクラの一つに集中し、血液や身体の中心から放たれる気配を感じ、ゆっくりと身体の周りに暖かな、目に見えない膜を羽織る様にコントロールする、魔力とは違いまた応用も感覚も違う。
「史郎、そのまま身体に濃くオーラを纏え」
「・・・・・・・」
中々難しいが、さっきよりも不思議と優しく暖かい気がしなくも無い。
「ホウホウ…………史郎のオーラは、中々に精練されてるな…………今まで何故使えなかったか、不思議で仕方ないレベルだな」
コツを掴むのに三時間以上は経過してる、それでもルドルーラ様は呆れもせずに使える様に成ると褒める、見た目怖いイケオジだが。
「うむ、今日はこんな所だな、次はアマノカミの釣竿作りだったな」
こうして翌日は、いつの間にか作られてた木刀にプラーナを纏わせる修行が始まり、そして思い出すのはあの日の知識図書館で見た、辰川芳野の剣だ。
「うむ? 何か気配が変わったな…………」
何かルドルーラ様が言ってるが、意識は辰川芳野の剣をイメージする。
何故かは分からないが、私の目指すプラーナを纏う剣は辰川芳野の様な、纏うプラーナすら使い変幻自在の動きの剣、そこにユンケルの技術を融合し剣先のフェイントと、足さばきや足の運びや間合いの詰めや動きをトレースし、更に何かユンケルや辰川芳野ではない構えを自然とする。
「また違う気配、史郎の魂にはどんな強者の記憶が眠ってるのか、興味が出て来たぞ」
更に深くトレースすると、何故か知識図書館に居ないのに三人の男達が座り待って居た、一人は黒いボロボロの着物姿の武士だ、たぶん辰川芳野だろう人物は髷はポニーテールにした様に纏めた、襟足髷風の髪型だ。
そして何故か二人目も黒髪だが、何故か懐かしさを感じる二人目は何故か親友の様に、此方を見て手を上げるがそれは何故か分からないが、此から何かを託す親友の様な別れ際の友の様な寂しげな気配がする。
そして三人目は何故か少年だが、何か『俺、影薄くない』的な何とも言えない顔をしてるし、何か辰川芳野に何かを言ってるが全然相手にされず半泣きだ。
しかも黒髪に赤味が日の光に反射し見え、更に何か白マントに白い服装に黒のアンダー姿で、他の二人よりまだまだ幼い様に見える、十代かな? 何か若いて良いよな…………、だが服装はアレだが……………。
私は黒い地面に降り立つと、辰川芳野が言う。
「よう、俺の剣は凄いだろ」
何故か自慢をする辰川芳野、そして爽やかにイケメン騎士スマイルのユンケルが握手を求める。
「君はユンケルだね」
握手を交わすと、ユンケルが答える。
「そうさ、君のお陰で逃げられ果たせなかった妻の仇が、現実で無かったとしても果たせた…………有り難う、未来の俺の魂」
何か今ユンケルが変な事を言うが、でも何か三人を見れば噛み合う………………。
「噛み合うワケ無いだろうが、こんちきしょー!」
三人揃ってドン引きしてたが、まあ私もそっち側なら同じ反応だよ。
あと、三人はイケメンの類いだし、肉体だって……………微妙に中年太り始まってるな、辰川芳野さんよ………………。
「────で、結局四人が集まったのは何故だ?」
私は単純な疑問を聞くと、ユンケルが言う。
「君が俺達三人の力を同時に、呼び覚ましたからだな」
ユンケルが簡潔に言えば、辰川芳野は違うように言う。
「確かに、最初は拙者…………俺だったが、お前さんがそこの剣の天才わっぱまで呼び起こすから、此処に集まったんだ」
そしてその天才少年は、私はまったく知識図書館で出会ってはない。
「俺はルーク・ミナガワだ、俺は仲間と旅をしてたんだが何故か途中の記憶がない、最後の記憶は石像の様な化物に仲間が黒い霧に包まれて、やっと恋人に成ったシルヴィが倒れて、仲間と共に死んだ肉体を操られながらシルヴィが、俺を殺す記憶が最後だ」
何かユンケルの次に重い気がするが、もしかしたらユンケルより話や境遇が重くない?
そして辰川芳野さんは言う。
「此から先は、俺の力を史郎に託す…………、そろそろ俺は師匠が居る世界に行きたいしな」
そう言って辰川芳野は、光の玉に成って私の身体に入って行く。
「俺は史郎、君に私が果たせなかった妻を幸せにする想いを、君に託す…………頼んだ…………我が最愛の妻フリージアを…………」
青と黄色の光の玉に成り、ユンケルも辰川芳野の様に身体に入って行く。
何か継承されてる様に、二人の思いを受け取る。
「俺は他の二人より精神的にまだ未熟だ、だが何時か仲間の仇を打ちたい、その力を貸してくれ…………兄ちゃん」
赤く光る玉に成り、ルークも私の肉体に入って行く。
そして不思議な程、身体から解き放たれる光は青く美しい炎の様な光の柱、そして私は不思議な程落ち着いた心で青く光る炎を掴み、光を収縮させ一つの剣に変えゆっくりと深呼吸し、振り下ろす…………光の炎を振り下ろした空間の先に光が広がり、私はゆっくりと歩いて行く、面倒な託された想いと共に…………そして、目の前にはルドルーラ様が居た………何かを察した様に。
「・・・・・一瞬で雰囲気が変わる程の、何か得た様だな史郎」
「・・・・・そうですね、ルドルーラ様…………何か託され事もありますが」
こうして二日目のルドルーラ様の修行は、終わったかに思ったが……………。
「誰が昨日で終わりと言った?」
「・・・・・ふぇ?」
「まだまだ、今日も修行だぁー!!」
「そんなバカなぁ!?」
こうして何故か分からんが、ルドルーラ様にみっちり剣の扱いを仕込まれ数日後に、私は久々に実戦体験の修行場に行きリベンジに行く。
何故かステータスは、まったく育って無かったが。
再びあのゴブルリンに出会っても、三人の力を継承しルドルーラ様の地獄の素振りに耐えた私なら、何とか成ると思う…………一体だったら…………何とか。
こうしてリベンジに、私は向かった。
次回に続く。
アッシュ∶クッ! 出そびれて、託せなかった…………ルークめ、俺とキャラが被りやがって許さん、俺だって仲間の仇を史郎に託したい、あの死を運ぶ者を討つ意思を託したかった。
赤毛の青年は一人呟きながら、ルーク達と同じ場所へ行くのだった。