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死女神キルコの推しごと  作者: 鈴奈
第7話 ウィルスでお仕事
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13話 筋肉がお仕事 2


 んっふふふ……。

 早速、スマホで皇を大量に撮らせてもらった……!

 愛する自室で、黒いソファに寝そべりながら、私はスマホの画面に見入っていた。

 カメラ目線、どこか遠くを見ている横顔、慣れないピース、無表情で完璧な角度の指ハート、そして微笑と指ハート! 笑顔がぎこちなくて可愛い! 萌え!

 指を画面の上で滑らせるだけで、いろんな皇が次々に出てくるのが幸せでならない! 顎のラインが綺麗すぎて。これをつまみに酒が飲める!

 ツーショットも撮ったが、皇だけの写真を眺める方が幸福度が高い。消してしまおうかと思ったが、なんだか惜しい気もする。表示の順番を変えられたらいいのに。


「キリィ〜〜〜〜!!」


 ……ジャック。いい気分の時に、のこのこと……。

 

 ジャックは、「相っ変わらず、足の踏み場がねえなぁ」と言いながら、床に散らばる日本酒の瓶を蹴り散らし、私にずかずか近づいてきた。


「近づかないで」


「これを見ろ! ジャパニーズ・土下座!!」


「死んで」


「そんなぁ……。

 じゃあ、また欲しいもの言えよ! なんでも持ってきてやる! だから、機嫌直してくれよ、キリィ~!」


「何をしても、私を汚らわしく触ったことは一生許さない」


「好きな相手の体なんて、見たいし触りたいし、むしゃぶり尽くしたいだろ、普通? キリィも本当は俺の体に触りたいって思ってるくせによぉ……。

 ほら、いいぜ? 素直になって触れよ、この筋肉を! 愛するキリィにならいくらでも」


「気持ち悪い。死んで」


「とか言って、俺のやったスマホ、嬉しそうに使ってんだよなぁ……。ほんと、可愛い女だぜ。俺のやったもんも飾りまくって…………って、あ⁉

 あいつ! キリィの隣にいた野郎! なんで写真飾ってんだ⁉

 も……もしかして、キリィ…………! あ、あああああ、あの男を!?!?」

 

「うるさい」


 床の上に散らばっていた空き瓶とつまみのゴミがゆらりと浮かぶ。そして、一斉にジャックの方に向いた。


「去れ!」


 ゴミたちがジャックに勢いよく飛びかかる。


「ギィヤァアアアアアアアアア!!!!!」


 ジャックは一目散に逃げ出した。ゴミは永遠にジャックを追っていった。


 ふぅ。サッパリした。久しぶりに掃除ができた。

 さて、「ひおさんぽ」を観て、心も掃除をするとしよう。



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