表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死女神キルコの推しごと  作者: 鈴奈
第7話 ウィルスでお仕事
71/120

(番外編)10話 皇 秀英の重要会議 6

 ただ、譲れない条件があった。僕は画面にプランAを映し出した。


「昼食の時間に僕への気持ちを確認しようと思っているから、この時には二人きりにして」


「分かったわ。ただし、むやみに接触しないこと。いいわね?」


「しないよ」


「はぁ。もう本当に、秀ちゃんが人を好きになるなんて、きっと最初で最後よ。彼女を逃したら、お嫁さんと一緒に料理をするという私の夢が潰えるわ……もうほとんど諦めていたのに……。何がなんでも、お付き合いして、結婚してもらうんだから!

秀ちゃん! お付き合いして関係が安定するまでは、絶対、野獣は封印ですからね! 愛とは理性。そしてやさしさ! この言葉をしっかり胸に刻みなさい!」


 どうしたんだろう。いつもの母さんと違う。いつもの母さんなら、僕が何かしたいと伝えると、「あら、そう。頑張って」で終わるのに。

 それにしても、野獣的行動とは? 下心をそう比喩しているのだろうか。

 「愛」については、恋愛だけでなく、母性愛、隣人愛、友人への愛などの定義を分析して本質を理解しているし、それをもとにどのようなふるまいが適切かを研究したから問題ないのに。


「あ、坊ちゃん。一ついいですか」


「はい、どうぞ」


「着物と茶道以外の内容について、全部カチカチ決めないで、当日にキルコさんに決めてもらえばいいんじゃないですか? 自分で決めてやるのが『楽しい』の基本です」

 

「たしかに、キルコさんは自由な方なので、そうかもしれません。では、茶道以外のものは選択式にします」


「あ、料理は、リクエストありますか?」

「そうね、事前に苦手なものや食べたいものを聞いておくといいかもしれませんよ」

「ほかに何かお手伝いがあればやりますよ。茶室の飾り付けとか」


「なるほど、聞くようにします。

 茶室の飾り付けは僕がします。お手伝いをお願いしたいことは明日朝までに準備します。

 他はありますか」


「いいえ」

「大丈夫かと」

「まあ、あとは当日柔軟にね」


「お母さんも腕によりをかけてお料理をするわ!」


「では、これで進めます。ありがとうございました」


 閉じたパソコンの熱を抱きしめ、息を吐いた。

 女性視点の意見をもらえてよかった。もう少し詰めよう。

 そして、完璧な日にする。彼女の気持ちを確かめて、次の一歩に進めるように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ