15話 恋愛証明でお仕事 3
カニの乗ったサラダ、たっぷりのウニ、そして、ジャパニーズ・伊勢エビ……!
どれもこれも、濃厚な甘味と旨みがギュッと凝縮されていて美味しい! ああ、日本の高級食材は素晴らしい……! 一つ一つが上品で上質。まるで緋王様のよう……。
ステーキと白米、抹茶アイスを美味しく平らげる。
温かい緑茶が運ばれてきた。ほぅと一息つくと、照明がゆっくりと落ちた。
かと思うと、店員のような者が二人、なにかを運んできた。黒い管をゴソゴソとつなぐ。そして皇が、窓の前に立った。改めて全身を見て、美しさにどきりとする……。
「それではこれより、キルコさんの僕への感情が『推し』ではないことの証明をはじめさせていただきます」
え? 今、ここで?
皇の後ろの窓に、白いカーテンが降りる。
そこに、パッと文字が映し出された。
『エルデ キルコさんの皇 秀英への感情が“推し”ではないことの証明』。
店員二人がこそこそ出ていく。
「それでは、はじめさせていただきます。
はじめに、結論からお伝えします。
キルコさんの感情は、恋愛感情であると考えます」
――え?
「恋愛の定義は個々人によるもので、明確なものはないとされています。なので、本来はキルコさん自身の恋愛の定義にあてはめて証明したかったのですが、恋愛の経験がないとのことなので、それができません。そのため、今回は一般的な恋愛の定義を用いて証明していきます。
最終的に恋愛感情だと決めるのはキルコさん自身なので、僕の証明を聞き、自身の感情が恋愛感情かどうか、最後に検討してください。
まず、複数の心理学者の文献から、一般的な恋愛の定義を次のようにまとめました」
画面が切り替わり、六項目がずらりと並んだ。




