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04.勇者のチートがデメリットだった( ˘•ω•˘ )

ヤンデレヒロインみたいな顔した勇者によって聖女にされてしまうという悲劇に見舞われながらも俺の旅は再開された。

王国公認で勇者とパーティー組まされているのでトンズラも詐欺もできない。

ヤンデレを国王に押し付けられた感も否めない。国王ユルサナイ。


「どこ行くんですか?」


勇者は厄介だった。俺がちょっとでも単独行動を取ろうとすると勘付く。


「フラウさん、俺から離れないでください。側にいないと守れない……絶対に、俺が……今度は、必ず……」


チクショウ、完全に闇堕ちしていやがる。勇者の顔じゃない。ハイライトゼロの瞳だ。


「勇者様なんでそんなに俺と一緒にいたいんですか?」


「……ダメですか?」


ひぇ、そんなバッドエンドルートみたいな顔しないで!恨めしそうにこっち見ないで!!


「いや、ダメというか。俺にも人権とかプライベートとか言うものがあってですね……そんな風にずっとひっついていられるとちょっと本職に影響が出ると言いますか……」


「不安なんです……」


勇者がポツリと呟いた。なんだか真面目な雰囲気だ。

前半戦のギャグ路線返してください。急に暗い感じにしないで。シリアスとかもやめて。俺、そう言うの耐えられないから。


「信じなくて構いません、俺は何度もこの人生を繰り返しているんです。もう何度繰り返したかもわからないくらいたくさん」


「そうですか」


「俺は何度も繰り返し魔王と戦ったんです……」


何言ってんだコイツ。

今代勇者はまだ魔王城まで到達していないはずだ。しかしそんなことは俺の知ったことではない。


「それは大変でしたね」


良き理解者の顔をして情報をタダで聞き出すのは詐欺師の基本だ。

適当に相槌を打っていると勇者はスラスラと聞いてもないのに話し始めた。

俺、シリアス苦手なんだけどな……。


「あなたはいつも俺の人生に現れました。どんなに俺が避けてもルートを変えても必ず俺の人生が終わる時に貴方がいたんです」


あ、なんか話し始めた。これ長台詞のパターンだ。


勇者はなんか勝手に初めの人生の話を始めた。

魔王城での最終決戦で俺が勇者を庇って死んだらしいが、俺がそんなことをするはずがないからなんか偶然そこにいたとかだろう。

そして俺が死んだ時に魔王の呪いを浴び目の前が真っ暗になったそうだ。


そして目が覚めると勇者になった日に戻っていた。


今度は誰も死なせない。もっと上手くやろう。

勇者はそう思ってやり直すもまだも俺が勇者の戦いに巻き込まれ死亡。

そしてまた、同じ日に戻ってリスタート。


要約するとそんな感じの話をしていたが、感情が入って主観で話すから話がわかりにくい。

さてはこいつ話すの下手くそだな。

勇者は自分が満足するまで延々と話した。こっちの事情や都合はお構いなしだ。

適当に相槌打ってるだけなのに喉乾いたな。

でも水分摂るとトイレ行きたくなるし……(´・ω・`)


「何度も何度も何度も……監禁しても封印してもどうやってもダメでした。結局はあなたは死んでしまって、俺はまた初めからやり直すんです」


お、ひと段落ついたか?トイレ休憩か?

長すぎて最初の方とか何言ってたかもう思い出せないんだけど。

とりあえず、なんか知らんけど俺はコイツの人生にトラウマ埋め込んでいるらしい。途中で監禁とか封印とか色々聞き捨てならないワードがあったけれど……うん、聞かなかったことにしよう。気のせいだ。


ファンタジー世界だし勇者だしそんなこともあるだろうとループしている前提で話すが、どのループでも恐らく俺はあえて勇者に心から親切にしたことはないだろう。

断言できる。

だって俺だし。

勇者は善意が何かを勘違いしている。

きっと詐欺にかかりやすいタイプだろう。


目的達成するまでループしてループ知識で無双できるはずの勇者システムがバグって俺なんかに引っかかってSAN値削られてるのはどう考えてもデメリットだ。

遂には世界よりも俺に執着し始めた訳だ。

勇者可哀想(´・ω・`)


バグった原因には多少心当たりあるが、それは俺のせいではない。

正直、放っておきたい。


「もういっそこんな世界滅ぼしてしまえば……」


なんか勇者が不穏なこと言い始めた∑Σ( °∀°ノ)ノ

世界の命運は俺にかかっている!?

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