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異世界園児紀行  作者: 文月
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第閑話 おまけコーナー※読み飛ばし推奨

「なんですか、ここ……私たち、さっきまで洞窟にいましまよね……?」


「ここは日頃読者のみんなから送られてくる質問や、作品の細かい設定等のこぼれ話などをわしらで面白おかしく紹介する、ネタバレ、恥部、不適切なワードまで盛りだくさんのコーナーじゃよ」


「読者⁉︎ 紹介⁉︎ なんですかコーナーって! ていうか、あかりちゃんなんで司会役なんですか?」


「わし、流石に歯医者の免許までは持っとらんぞ!」


「歯科医じゃねーよ紛らわしいな‼︎」


「はーいではまず一発目のお便りからじゃ」


「無視⁉︎」


【疑問1:第37話 衝撃にて、記憶を無くしたはるかちゃんですが、何で彼女は記憶喪失になったのですか? これまで高い崖を飛び越えたり色々と無茶をやってきた彼女が、今更石鹸に滑って頭をぶつけたというだけでこんなになるもんなんでしょうか。気になって夜しか眠れません。迅速な回答、お願いします

C・N(コーナー・ネーム)佐藤太郎(住所不定無職27歳)】さんからじゃ。


「なんか勝手にもう始まっちゃってるし……突っ込むところそこなんですか。気になってる割に、夜ちゃんと寝れてるじゃないですか」


「お昼寝の時間を奪われるという屈辱に身をやつしてまで、彼はこの質問コーナーの戸を叩いたのじゃぞ! わしらがお答えしてやらんでどうする⁉︎」


「大人にいらないでしょ昼寝の時間なんて! 幼稚園児じゃあるまいし!」



「ご質問ありがとうございますじゃ。えーそれは、他ならぬ本日のゲスト・皆代はるかちゃん自身に答えていただこうかのう。カモン! ゲスト!」


「はるかちゃんゲスト枠なんですか⁉︎ 思いっきりメインキャラクターなのに!」


 あかりが合図すると、地面から謎のスモークと光が湧き出し、中から赤髪の幼女が姿を現した。


「皆代はるか(幼稚園児兼クラブマスター兼バイトリーダー兼ストアマネージャー兼寿司屋店長・4歳)のご入場じゃ!」


「肩書き増えてるーっ‼︎」



「まず質問ありがとうな。答えとしては、アタシあん時風呂入るためにツインテール解いてたじゃん? あれで世界の法則が一時乱れちまってよ。もう少しでメテオが飛来するところだったんだわ。まーそんなこんな森羅万象色々あってあーなりましたってわけだな」


「引っ張った割にめちゃくちゃいい加減なこと言ってるし!」


「はいでは香川憲治さん34歳さん、お分かりいただけましたかな?」


「いや名前から違うし!」


「はるかちゃんが記憶を無くしてしまってのは、ツインテールを解いてしまった事によって【宇宙の法則が乱れた】のが原因でしたー。番組終了後に、憲治さんのお宅には隕石が送られます。楽しみにしておいてくださいねー」


「しかも別人が犠牲になったぁ‼︎ 質問したというだけで!」


「続きましてはこちらのお便りですねー」


【疑問2:はじめまして。この冷たく陰惨な社会で生きている事に嫌気がさして、命を絶とうと考えましたところ、最後に何か読んでみようと思い手に取ったのが、この物語でした。つぐみちゃんやはるかちゃんを筆頭とした個性豊かなキャラクター等に笑い、癒されて、今ではすっかり元気を取り戻して宝くじ四億円に当選し、財閥企業の社長令嬢とも婚約し、息子が五人産まれました。それで前々から気になっていた事を質問したいのですが、皆さんの名前の由来等もしあれば教えてください。よろしくお願いします。

C・N東京都世田谷区に住んでいると思い込んでいるハンバーグランチ定食大盛り380円(独身)】さんからですね。


「ツッコミどころが多すぎて手に負えませんけども……。名前つぐ『む』です。むです。後半全然関係ないですし。独身なのか所帯持ちなのかハッキリしやがれです。コーナーネームもめちゃくちゃじゃないですか」


「だよな今時ハンバーグランチ定食380円は無えよ大盛りで」


「いやそこなんですか⁉︎」


「500は出さんと並盛りすら厳しい時代じゃぞ。この男は何者なんじゃろうか……。あ、トンカツ和食セットでお待ちのお客様、ご質問ありがとうございます」


「ただのファミレスになってる‼︎」


「えーそれで由来なんですが……なんかあるかいの?」


「いや降られても知りませんし答えようもないですが……うーん。あ、でも私のお母さんは昔ながらの女の子らしい名前にしたかったって言ってましたよ」


「本当はつぐみだったんじゃねぇのか? 字が汚すぎて読み間違えたとか」


「だとしても今更変える気はありませんよ。どんだけそっち浸透させるつもりなんですか。私は生涯『榎本つぐむ』を名乗らせていただきますよ」


「アタシのはどーだろーな。名前考えてた時に病院の外に桜の木が咲いててよ。それ見たオヤジが『春か……』って」


「そんなすれ違いコントみたいな感じで⁉︎」


「あとは何だろうな。遥か彼方までどこまでも歩いて、走って行ってマウンテンバイクひっ捕まえるようなたくましい子供になって欲しい……とか?」


「疑問系で聞かれましても……。なんでマウンテンバイク捕まえてくる必要性があるんですか。たくましすぎるでしょうその子。どの親も持て余しますよそんな溢れるバイタリティ」


「わしはな――」


「ももはね、お母さんが桃が大好きだったからだよ」


「へー。可愛い響だし親しまれやすくて良いと思いますよ」


「けどよーもも。もし『桃が好き』って言ったら『えっ⁉︎ あっ、はっ、……ハスハスフス……! あ、あのっでゅふっ、しゅみません。い、いま私のこと好きって……ぶひひひっ』てならね?」


「なんでキモオタみたいになってるんですか」


「うーん……じゃあ……食べても、いいよ?」


「おおお! なんかグッとくるな!」


「貴様を食した後でな――」


「お、……お、おお……」


 ももの瞳は濁った黒い赤に染まり切っていた。

 「ふふふ……」と不気味に笑うももを後に、あかりは司会進行を続けた。


「続いての質問じゃが…………」


「どうしたんですか?」


「それではまた会おう! しーゆーねくすとたいむじゃ! 本編もよろしゅうたのむぞー」


「ええええええ⁉︎ なんですか急にエンド迎えるって! 何だったんですか次の質問は!」


「またね〜」


「ていうか何だこのコーナー‼︎ いい加減こんなことばっかやってたら本当に怒られますよ!」

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