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無いとは言い切れない

「はっはっは、私の息子は少し変わった考えを持っているのでな。ハンターになりたいと思う子供を育成する学校と比べ、貴族の子息息女が学ぶ学校の方が有益だと考えているんだ」


「ハンターの事に関しては父様と母様に聞けば事が足りると思うので」


「坊主、母さんまでハンターなのか。それなら確かにハンターになる為の学校に行く必要性は薄まるか。それに・・・・・・なるほどな。確かにそっちの方が後々役に立つか」


この人・・・・・・俺の考えが大体分かってそうだな。


「にしても坊主、本当に戦い慣れしていたな。もう低ランクのモンスターぐらいは倒しまくってる感じか?」


「自分は長男では無いので暇な時間が多いんです。だからその暇な時間を利用して後ろのメイドと一緒にモンスターと戦っています」


戦ってるって言っても、本当にランクがそこまで高くないモンスターだから危険な状況に遭遇した事は殆ど無いんだけどな。


「へぇ・・・・・・後ろの嬢ちゃんも年の割には中々って感じだな。それはそうとして坊主、何か要望はあるか? 内のバカが迷惑をかけたんだ。あいをボコボコにするだけじゃ足りないだろ」


ボコボコっていう程ボコってはいないけどな。何か要望ねぇ・・・・・・今ここにはそこまでハンターはいないけど、訓練場的な場所に行けばまだまだいるのか?


「訓練場的な場所に行けばここよりも多くのハンターがいますか?」


「訓練場かぁ。まぁ・・・・・・いなくはないと思うが、今は低ランクのハンターが殆どだぞ。低ランクのハンター達の相手をしているハンターを半分引退している教官たちの類はある程度の強さは持っているが、教官たちは戦う事は無いからな」


後進の育成もしっかりとやってるんだな。そこは素直に感心する。

でもやっぱり今の時間帯は一定水準以上の力を持つハンターはいないのか・・・・・・いや、それでも訓練の様子を見る価値はある筈だ。


「それでも構わないので、訓練の様子を見せて貰っても良いですか?」


「おう、勿論だぜ。てことでローナ、この二人を訓練場まで案内するが良いか?」


「それは大丈夫ですが・・・・・・一応私も付いて行きます」


「お、おう。別に構わなねぇけど、お前まで付いてくる必要は無いと思うぞ」


俺もこの人に同意だな。美人なお姉さんが傍にいるのはそれはそれで嬉しいが、それでも職員の業務を後回しにして付いてくる必要はないかと思う。


「そんな事はありませんよ。またそこに転がっているバカが問題を起こさないという可能性が無いとは言えませんし」


あぁーーーー、確かにその可能性は否定できない。

というか、あの馬鹿を見る目が普通に怖い。あいつ、お姉さんの鋭く冷たい眼光にブルっと震えてるし。


「はぁーーーー。ローナの言う通りだな。まっ、仮にそんな事が起こったしても全員返り討ちだ。今日ギルドの訓練場にいるルーキーの中で坊主に勝てる奴らはいねぇよ。無謀にもこいつに戦いを挑めば、それはそれで良い薬になる筈だ。調子付いている奴らには特にな」


・・・・・・俺を評価してくれる事に関しては普通に嬉しい。けど、面倒で俺に利が無い役割を押し付けないで欲しいものだ。

俺は単にランク別の実力差が解ればそれで良いから。


「それじゃあ俺に付いて来てください。訓練場まで案内します」


父さんと同ランクのハンターの後ろに付いて行くわけだが、当然というべきなのか・・・・・・通り過ぎる職員達が全員驚いたような顔をしてこちらを見て来るんだが。

そんなにも珍しい光景なのか?


「ラガス坊ちゃま、何か不可解な事でもありましたか?」


「・・・・・・いや、別にそこまで大した事じゃない。それよりメリル、お前ならあのハンターに勝てるか?」


「先程のおバカさんですか。・・・・・・今の私では流石に真正面から勝つというのは無理でしょう。相手が冷静な状態ならば尚更。ただ、私の実力を正確に把握できていない状況であれば、虚を突いてなんとか倒す事が可能かと」


虚を突いて何とか倒せるか・・・・・・核の差と単純な腕力差を考えれば今のメリルじゃそういう考えになるか。

にしてもあいつ・・・・・・なんで俺達に絡んできたんだ? 別に服装から見ても、そこまで裕福な貴族には見えないと思うんだけどなぁ。


「ラガス坊ちゃま。訓練場が見えてきましたよ」


「そうだな。にしても・・・・・・」


なんて広さだよ。前世の学校のグラウンドの・・・・・・五倍ぐらいはあるか?

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