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多少変わっても

「ルールは前回の決闘の時と同様にどちらかが動けなくなる、又は俺が戦闘不能と判断して勝敗を決める」


「あ~~リット、審判は俺がやっても良いか」


「え、ええ別に大丈夫ですけど・・・・・・、何か考えでもあるんですか?」


「いや、別に他意はないぞ」


いやいやいやいや、他意が無かったら審判を変わろうなんてしないだろ。

まぁ特に面倒な事にはならないか。


・・・・・・いいや、状況は既に面倒な事になっているんだったな。


俺は今ウォッツさんの家の庭で少し離れてアリクと向き合っている。

武器は勿論木剣。アリクの奴は最初真剣で戦いと言っていたが、父さんの一喝で押し黙った。


少し年齢が上がっても、阿保は阿保のままだな。多少剣を扱えるようになっても、お前に寸止めできるような技量は無いだろ。


俺もしっかりと寸止め出来る自信は無いけどさ。


それにしても相変わらず俺に向ける目線は憎悪でも籠っているのかって、ツッコミたくなるほど黒いというか闇というか。

そんな睨み付けたところで実力差が変わる訳じゃ無いのに。


「それじゃぁ・・・・・・お互い怪我せん程度にな。・・・・・・始め!!!!」


ウォッツさんが勝負開始の合図を行うが、俺は動かない。

特に焦って勝負を決める必要は無いからな。


ただ、やはり直線型なのか・・・・・・アリクは俺に身体強化を使って斬りかかって来た。

一年前と比べて馬鹿みたいに剣を上段に振り上げたりしていない。


しっかしな・・・・・・二歳下の弟に身体強化を使って斬りかかるなんて、俺がある程度強いと内心では認めていて身体強化を使っても問題ないと思っているのか。

それとも、そんなことは一切考えておらずただ単に俺を撲殺したいのか・・・・・・おそらく後者だろう。


目がガチだし。


「うおおぉぉりゃああああああ!!!!」


気合い一閃とばかり木剣を縦に振り下ろしてくる。

ただそんな去年より多少スピードが上がっていようが、フェイントも糞も無い攻撃が俺に当たる訳無い。


「ほいっと」


少し後ろに下がって剣先を避ける。


しかしアリクの攻撃はそこで終わらず、斜めから、下から真横から木剣で斬りかかる。

そして突きをも繰り出してくる。


連撃できるようになったのは素直に上達したんだなって思うけど、こいつ・・・・・・絶対寸止めする気ないよな。


頭を狙って突きを放ってくるし。避けるのは簡単だったけど、剣の勢い全然抑えられてないんだよ。

殺る気まんまんだぜーーー!!!! って感じだよな本当に。


「いつまで逃げ回ってるつもりだ!!! そうやってずっと怯えてるつもりか!!! この弱虫が!!!!」


相変わらず口も汚い事で。そして何故そんな考えに至るのか謎で謎で仕方ない。


避けるのに徹するのも戦略の一つだろ。

それに、だんだん息が上がってきているじゃないかアリク。

いくら身体強化のスキルを使って木剣の重さを殆ど感じなくなっていたとしても、それだけ全力で動き続ければスタミナは確実に削れていく。

そうなればお前の剣筋はブレて更に俺に当たらなくなる。


ペース配分が全く出来ていない。俺は基本的にあまり動かずアリクの攻撃を躱しているので体力はそこまで消耗していない。




「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、ちょかまかと逃げ回りやがって・・・・・・いい加減にお前も攻撃してきたらどうだ。それとも、俺に返り討ちに合うのが怖いのか?」


戦いが始まって大体二分から三分くらい経ったか・・・・・・体力は殆ど底をついているのにも関わらず、減らず口だけは叩けるみたいだな。


超グロッキーなアリクに対して俺は正直、超余裕だ。

スタミナと魔力は共にかなり余裕がある。


俺もアリクの攻撃を確実に避ける為に身体強化のアビリティを使っていたんだが、なんて言えば良いのか・・・・・・無駄に魔力を注ぎ込んでいないのでアリクより魔力の消費量が少ない。


「俺がお前を怖がる訳無いだろ。お前は、剣の腕は大した事無いけど、減らず口だけは一流なんじゃないのか?」


さて、そろそろ避けるのも飽きたし終わらすとしよう。

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