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爵位が同じくらいなら

「ラガス坊ちゃま、憂鬱な表情ですね」


「メリル、なんで俺が憂鬱な表情をしているのか解って言ってるだろう」


「はい。ラガス坊ちゃまがそういった表情をする訳は限られているので」


なら言うな。自分でも憂鬱な表情で目が死んでるってのが解る。

今日はセルシア・ロウレット一行が来るんだからな。

確か従者や護衛を連れて五人で来るんだったか。普通に少なくないかと思ったが道中の護衛に関してはハンターを雇っているんだろう。


ちょっと不思議ちゃんなところがあるけど公爵令嬢な事に変わりはないからな。


「セルシア嬢が来るまでどうお過ごしになりますか」


「・・・・・・午前は訓練の時間にしているけど、汗臭いまま迎えるのは良くないから時間までのんびりと過ごす」


消臭液を使えば済む話かもしれないけど、流石に使うのが勿体無い気がする。


「とりあえず朝食が出来ていますので」


「おう」


今日はご飯の味がいまいち分らないかもしれないな。



「はっはっはっは!! 随分と不機嫌そうな表情をしているなラガス。まぁ、お前の気持ちは解らんくもないが今回は我慢しろ。学校に入ればこういう体験をする可能性は十分にある」


「それは解っています。ただ、総合的に考えて面倒過ぎる相手なので気が重いんです」


第一にセルシア・ロウレットに婚約者がいる事がヤバいという他の男の家に行っては駄目じゃないかと思う。

元々付合いのある家同士ならば問題無いと思うが、全くもって今まで関係が無かった家の子息に興味があるからって理由で訪問するのはアウトだろ。


「今日来る人はラガス兄様が苦手な人なんですか」


「そうだなぁ・・・・・・うん、取りあえず苦手な人で合っているぞセリス」


「でも強い人なんですよね」


「ああ。貴族の子供達がトーナメント形式で戦う大会でクレア姉さんに勝った人を倒した人だからな。そりゃ強いぞ」


「それならラガス兄様が好きそうなタイプじゃないんですか?」


いや、俺別に強い人は好みのタイプとかそういう訳じゃないからな。

確かに男爵家の息女とかだったら好きになるかどうかはともかく、好意に近い興味を抱いていたかもしれない。


しかし公爵家だぞ公爵家。男爵家の上に子爵、辺境伯(一般的には伯爵より辺境泊の方が地位が高い。作品内の設定については分かりませんが・・・)、伯爵、侯爵、公爵家。五つも爵位が上の人間なんだぞ。

普通に相手にしたくない。


「セリスも解っているとは思うけど、今日来る人は父さんより遥かに高い権力を持つ人の息女なんだ。それで俺は基本的に爵位が高い人間は苦手なんだよ」


「それなら貴族の学校に行ったら大変なんじゃないですか?」


「それはそうだろうな。悪い意味で貴族らしい貴族に絡まれたら手が出てしまわないか物凄く心配だ」


それは父さんと母さんも止めて欲しいのかウンウンと頷いている。

だが父さんは母さんと少し考えが違ったようだ。


「しっかりとした決闘でならボコボコにして構わないぞ!!! 俺もハンター時代に絡んできた面倒な貴族には手っ取り早く決闘で黙らしたからな」


「そうですね。私も偶にだけど絡まれた場合はあなたと同じく決闘で黙らせていましたからね」


前言撤回。二人共同じ考えだった。

まぁ、ランクが上がればハンター内でのネットワークは広くなるだろうし、その情報が貴族の耳に入るのも時間の問題だろうから決闘は一番貴族を黙らすのに適した方法なんだろうな。


「だが、確かラガスの魔弾には何か嫌がらせが出来る効果があると言っていなかったか? それを使えばそういった事態も回避できるんじゃないのか?」


「そうですね。ただあんまり多用すると変な噂が立ちそうなんで」


やろうと思えば公衆の面前で恥をかかす事だって出来る。

ただ逆恨みが怖いけどな。


そして朝食を終えてから三時間後・・・・・・街の門に俺は移動し、少し離れたところに見える馬車を死んだ目で見ている。

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