第2章《偵察》
第2章《偵察》
【偵察の不足】は致命的であり、これは言わば目隠しをした状態で障害物競走をしているような、極めて危険な状態に陥る可能性を多分に含んでいる。
偵察する際にいくつか選択肢がある場合、それは状況によって選択されるべきである。
機動性に優れるが敵にも発見される可能性があるもの、古くは騎兵、気球、現代ではヘリコプターなどは、情報が不足し早急に必要である際に有用である。
気球やヘリコプターの場合、三次元方向から観測することが可能であり、森や市街地に隠れている敵など以外であれば、そのほとんどが観測可能であろう。
だがこれらは敵に【敵方が偵察行動を行っている】という情報を、相手に与えてしまうという点は、無視できない。
一方で機動性は劣るが敵に発見されず偵察することができるもの、古くは散兵、現代では偵察任務を帯びた歩兵や狙撃兵がある。
これらは機動性に劣るため、能動的に偵察行動をするには制限があるが、定点に配置し敵軍の動きなどを監視することなどに向いている。
また、砲兵などの遠距離火力投射が可能な兵器が存在するならば、これらは砲撃の成果確認などに用いることも出来る。
【偵察】とは、【戦場の霧】の中を進む我々が持つランタンや松明のような存在である。
これをなくしては我々は盲目のようなものであり、情報において敵に劣るようになっては、もはや優勢とは言えないのである。
故に、我々は【偵察】によって敵の状態を観察する必要があり、これによってようやく【勝利点】が見えてくるのだ。
しかし、現実において遭遇戦となった場合、これらの【偵察】よりも以前に戦術立案が必要となることもある。
そうなった場合でも【偵察】はするべきであり、こうした兵科を展開することによって得られる情報が、兵力投入、火力支援などに大いに影響を与える。
遭遇戦における初動で失敗を喫したとしても、こうした【偵察】によってもたらされた情報によって、再起を図ることも可能となるのである。