1話
リアルが忙しく低浮上になります
朝がすぐに来なかったのは時間がズレていたからだ。
虹花達が声を揃え
「ここはどこ?」
と言った。
足元は濡れていて魔方陣のようなものの上に立っていた。
菜々が動くと
「痛ッ」
と悲鳴を上げた
虹花が地面を見るとダイヤモンドの破片が散らばっていた
菜々が恐る恐る部屋の隅に居る女に話しかけた
「成功だ」
そう呟いた女の手には華美なグラスが在るだけだ
取り敢えず言葉は通じるようだ
疑問符を浮かべていると
「どうかこの世界をお救い下さい」
女はそう言った
「大丈夫です。すべてご説明致しますので」
菜々は取り敢えず聞いた
「元の世界に戻れる?」
「アマノナナ様あなたが強く願えば可能です。それはイロノニジカ様も同じでございます。ですがそれは、この世界である常世の滅びを意味します。お二人がどうするかはご自身が決める事ですが、どうかこの世界をお救い下さい。」
女は言ったがそこに疑問を持ったのは虹花だけのようだ。
「どうして私達の名前を知っているの?」
聞くと女はこうなった経緯と共に語った。
千年前に雨野家と色野家に同じことが起きたこと。
古語と呼ばれる言語の書かれている石碑にある伝承の通りにすれば常世は救われるらしいこと。
ちなみにもとの世界は現世と呼ばれているらしい。
どうして私達の名前を知っているかというと
役目を終えると予言が出来るらしい。
予言は現実になり私達のことを知っているということになる。
「ここまで言われたら残るしかないじゃん」
菜々が答えた。
虹花も頷いて肯定した。
後に救世の虹の雨と呼ばれる二人の物語が今始まったのだった。