episode0 娘
ワードで書き上げてから投稿することにしました。
小説家になった気分で書きます。
暗い気持ちとは真逆に明るく日は昇る
昨日の喧嘩はひどかった。
布団をかぶっても耳にイヤホンをねじ込んでも聞こえてきた。
毎日のように顔を合わせてはもう何年も喧嘩をしているそんな毎日にうんざりしている私に同情する近所のおばさん達
何度死のうと思ったことか。
だが、今はそう思うことすら馬鹿馬鹿しい。私が死んだところで何も変わらない。
喧嘩はするがきっとあの人たちに別れる気なんてさらさらないのだ。
だったら死んで原因を増やしたって何も変わらない。
そう、何も。
リビングにはガラスの破片などが散らばったままで喧嘩の激しさを物語っていた。
椅子にぐったりともたれかかっている母を横目に私は靴を履いた。
「行ってきます。」
ぼそりとつぶやくようにして家を出る。
外ではおばさんたちが私とすれ違うと「昨日はすごかったわね」「娘さんも毎日大変ね」「本当に。」「離婚しないのかしらね」
と私の後ろ姿を見ながら話している。
教室の扉を開けると何人かが後ろを振り返る。
だがクラスメイトだとわかるとすぐに戻る。
私が席に着くと丁度チャイムが鳴った。
少し経って担任の先生が入ってきて、朝のホームルームが始まった。
なんてことはない、いつも通り今日の予定と近々行われる行事の説明。
終わりの挨拶をするとまた騒がしくなる教室
いつも通り
いつも通り
いつも通りの帰り道
猫がお昼寝をしていた
少しだけうらやましいと思ってしまった。
家に入ると何やら楽しそうな声がする。
玄関には黒い靴
リビングを覗くと、朝とは大違いのきれいな部屋になっていた。
母と黒い靴の持ち主は話に夢中で私に気が付いていない
「娘がいなけりゃ喧嘩する必要もないのにね」
どきっとした。
「あいつがいなきゃお前ともっと…なあ?」
「やだあ!きゃはは」
まるで
まるで
まるで、私がいなければ円満になれると。
よろけて倒れこんでしまった。
音に気付いた二人がこちらに来る。
私は知っていた。
喧嘩の相手がお父さんじゃないこと。
お父さんはもういないこと。
でも
でも
でも、お母さん。
ゴンっと音が頭に響く
痛い
気持ちが悪い。