梅干しと遊園地。 2
続きかと思われます。
拓海が病んだ。
恋は呆然とした。ファンクラブの人たちもだ。
「だってべつにきみたちのことなんてどうでもいいしぼくはれんちゃんいがいはどうでもいいしきみたちがしのうときえようとじさつしようとどうでもいいしべっつにきにもとめないしはっきりいときみたちはちょうかわいいというほどでもないとおもうよずっとそうやっていわれてきたのはおどされてたからじゃないのかなぼくはそうおもうんだよねちがうのかなちがってもあやまらないけどねあははははははははははははははははははははぼくはれんちゃんのためならしんでもいいっておもえるんだけどねきみたちのためなんかでしにたくないよねしょせんふぁんくらぶなんだからあああははははひひひひひひひひひ」
拓海は息もつかずにこんなに長いセリフを言った。そのまま恋を抱き上げると頬にチュッ、とキスをした。それを見たファンクラブの方たちは恋を一度睨むと去っていた。
「恋ちゃんごめんね?怖くなかった?」
「拓海君が怖かった。」
「あはは!だよねぇ…あは、あはははは!あはははははははははははははは!」
「こ、怖いってばぁ…………。」
「うっ、うんごっ、め…ぷっ、くくくくく…」
恋は逃げた。最初はトイレのほうにいたから一番遠い、観覧車に並び、そわそわしていた。すると後ろから声がかかった。
「ねぇ、君…恋ちゃん?」
「え?」
振り返ると昔、会ったことのある――いや、仲良しだった人がいた。
「えっ?!竜ちゃん!!?」
「やっぱり恋ちゃん!?可愛くなったね…」
「竜ちゃんもかっこよくなったね…」
後ろにいたのは幼馴染の金神竜だった。
「なんでここに?」
「拓海君っていう人とおでかけ…」
「君…?ってことは男の子かな…?」
「うん、男の子。」
「拓海君は?どこ行ったの?」
「逃げてきたの。」
「なんで」
「病んでて怖かったから」
「そっか。…よしよし」
なでなで、と頭をなでられた。そこに向こうからやってきた影があった。拓海だった。
拓海は高速で恋と竜を引き離すと竜を向こうに押しやり、恋に抱き着いた。そのまま頭をなでなで。
「まさかとは思ったけど…拓海か?」
「竜ちゃんには絶っっっっっっっっっっっっっっっっっ対渡さないからね!」
「え?知り合い?」
「「知り合いじゃない!!」」
「え?」
「「真似するな!バカ!」」
「…」
「「もう!ほんっとむかつく!」」
「ぷっ、あはははははは!」
恋が笑い出した。
「れ、恋ちゃん…?」
「恋ちゃんが僕の仲間入り!?」
「ち、違うよ…!ほんっと面白い…っ。」
恋が笑い出したので二人は動揺した。一応、拓海と竜は知り合いで天敵ともいえる存在だ。その喧嘩を見て笑った人などいなかった。だが恋は笑ったのだ。声を上げて。
「ケンカはダメだよ?」
にっこり笑って叱る恋に二人の理性はどこかに吹っ飛んだ。
「「可愛い~~~~!!」」
二人は抱き着く。
「…てーーーーい!!」
恋はまたまた吹き飛ばした。
はいっ、えーっと、紫城の外見を説明していないんじゃないか…!?と思って金神の説明もやめた作者です。はいっ、みんなの外見は近々説明すると思います。