梅干しと遊園地。
「すっぱぁぁぁぁぁあーーーい!!!」
「はむっ…すっぱーい!」
恋は家で梅干を食べていた。拓海と一緒に。拓海は梅干しを食べて、頬を抑えて、可愛い顔をしている。恋は――無表情で叫んでいた。
「…恋ちゃんの無表情怖い!!」
「そうかな?」
拓海がなんで恋の家にいるかというと―――…
深い理由?何ソレ美味シイノ?
拓海が乗り込んできたからだ。恋が家で勉強していたら、ピンポーン♪と鳴った。それに出ると目の前に梅干しを持った拓海が立っていた。恋は一度ドアを閉めた。開ける。ため息をつく。閉める。バッドを持ってきて、開けた、瞬間に襲い掛かる。が、避けられて抱きしめられた。そのまま恋の部屋に直行。親?仕事だ。そのまま拓海はニコニコしながら梅干しをパカッ、と開け、はむはむと食べだした。恋が呆然と見ていると梅干しを取り出して恋の口に入れた。それがこの状況だ。
「なんでいきなりきたの?」
「…暇だったからだよ、多分。」
「多分なのね。」
「うん。」
「………」
「…………」
「……………」
沈黙。
「恋ちゃん…。」
「何…?」
「どっかおでかけしようか……。」
「…どこ行くの?」
「…水族館とか遊園地とか?」
「行く!」
恋は顔をきらきら輝かせて飛びついた。
「じゃ、じゃあぁ遊園地行こうかぁ。」
「うん!!行く!!!!」
遊園地――…
「あれ乗りたい!!あ、でもあれも乗りたい!!あれも!全部乗りたいぃぃー!」
「れ、恋ちゃん落ち着いてぇ…」
拓海は恋に振り回されていた。実はこれがデートだということに恋は気づいていない。
―まぁ…楽しそうだからいいかな?-なんて思いながら楽しそうな恋を見て微笑んでいた。そして拓海は気づいていた。後ろからの気配を。―大体…3,4人かな?-恋を恨めし気に見ている。おそらく拓海のファンクラブの人間だろう。拓海は
「恋ちゃん、
キスしようか」
「え?」
「でもここでは恥ずかしいからあっちに行こう?」
「え?え?」
拓海は恋をトイレの影に連れてきた。そして
「恋ちゃん、今から悪い奴やっつけてくるね?」
拓海のファンクラブと思われる人間は憎しみしかない目で恋を睨んでいる。
「ね?薔薇崎さんたち?」
ガサガサ物音がして出てきたのは美少女達。
「な、んでそんな女と一緒にいるんですか!拓海様!」
「そうですわ!」
「ちょっと顔がかわいいだけじゃないですか!」
「同意です。」
「きみたちのかおのなんまんばいもかわいいとぼくはおもうんだよねそれにさぼくがれんちゃんをつれてきたんだけどなきみたちぼくにはんたいするきなのかなだとしたらだいもんだいだねふぁんくらぶのかいちょうさんになんていわれるんだろうねあはははたのしみだなぁきみたちのかおはれんちゃんのあしもとにもおよばないってわかったらさっさときえてくれないかなぼくたちいまで・え・としてるんだからさ」
拓海が病んだ。
目が痛い…。