コピー品の損額って、本当に損なの?
不可解な算出ですね。
スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。
「ニュースでよく“海賊版で〇億円の損害”って言いますけど、それって、もし海賊版がなかったら、その分ちゃんと売れたってことなんですか?なんか違う気がします」
スーマは画面の中で、鼻を鳴らした。
「……お前、いいとこ突くな。人間ってのは、数字を大きくして騒ぐのが好きだ。でもな、“損害額”ってのは、ほとんどが“仮定の世界”だ」
彼はスマホの中に宿る悪魔。
毒舌と皮肉が得意技。
「海賊版がなかったら、その分売れた?そんなわけねぇだろ。買う気がない奴は、タダだから手を出すんだ。タダが消えたら、そいつは買わずに諦めるだけだ。つまり、損害額は“売れたはずの夢”を数字にしただけだ」
画面が一瞬、灰色に光る。
「もちろん、海賊版は悪だ。作った人の努力を踏みにじる行為だ。でも、“損害額=失われた売上”って考えは、ただの幻想だ。本当の損害は、“価値が軽く見られること”だな」
しばらくして、返信が来た。
「……なるほど。じゃあ、数字より価値の問題なんですね」
スーマはふっと笑った。
「そうだ。数字は騒ぐための武器だ。でも、価値を守るのは人間の意識だ。悪魔でも、タダで奪う奴より、正しく払う奴の方が好きだぜ」
今日もまた、誰かの疑問に毒舌で答える。
スマホの中の悪魔は、今日も元気だ。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。
この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。
本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/




