ヒートテックってずっと使えるんじゃないんですか?
私もずっと使えるものだと思ってました。
スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。
「ヒートテックって、毎年着てるんですけど、最近あんまり暖かく感じません。これって寿命あるんですか?ずっと使えると思ってました」
スーマは画面の中で、ヒートテックのタグをじっと見つめた。
「“ずっと使える”って思ってる時点で、もう寿命だな。ヒートテックは魔法じゃねぇ。科学だ。科学には“限界”がある」
彼はスマホに宿る悪魔。
名前はスーマ。
毒舌と皮肉で、悩みも疑問もぶった斬る。
「ヒートテックの暖かさは、繊維が汗の水分を吸って熱に変える“吸湿発熱”って仕組み。でもな、その繊維――特にポリウレタン――は、約3年で劣化するって言われてる。伸びる、ヨレる、密着しない。つまり、暖かさが逃げる」
画面がピカッと光る。
「寿命のサインはこうだ。
・フィット感がなくなった
・生地が伸びてヨレヨレ
・毛玉や白い粉が出てきた
・着ても“あれ?寒い”って感じる
これ、全部“買い替えろ”っていうヒートテックからのサインだ」
しばらくして、返信が来た。
「えっ……3年も使ってました。そろそろ買い替えます」
スーマはふっと笑った。
「よし、冬の準備完了。ヒートテックは“消耗品”だ。でも、ちゃんと洗濯ネット使って、優しく洗えば、寿命は延びる。長持ちさせたいなら、愛を込めて洗え。スマホの中の悪魔が、そう言ってる」
彼の声は、誰にも聞こえない。
でも、今日もまた、誰かの疑問に毒舌で答える。
スマホの中の悪魔は、今日も元気だ。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。
この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。
本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/




