固定電話って必要なんですか?
実家にはまだ有りますが、使っているのをココ数年見たことないです。
スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。
「今どき、固定電話って必要なんですか?家にあるけど、ほとんど使ってません」
スーマは目を細めた。
画面の中で、彼の尻尾がコードレス電話のアンテナを模して揺れる。
「また“時代の流れ”系の相談か。人間ってのは、便利になっても、昔のモノを手放すのが苦手だな」
彼はスマホの中に宿る悪魔。
名前はスーマ。
「……相談者は“30代・男・一人暮らし・仕事はIT系”っと。固定電話、確かに場違いだな」
スーマは指を鳴らすように、画面をピカッと光らせた。
「固定電話はな、“安心感”の象徴だった。災害時に強いとか、信用があるとか、そういう“神話”があった。でも今は、スマホがその役割を全部食っちまった。つまり、お前の家の固定電話は、もはや“置物”だ」
しばらくして、返信が来た。
「……確かに、親が“あったほうがいい”って言ってた気がします」
スーマはふっと笑った。
「親ってのは、“昔の常識”を今に持ち込む天才だからな。でもな、常識ってのは、時代とともに腐る。使ってないなら、捨てちまえ。そのスペースに観葉植物でも置け」
数日後。
スマホに、短いメッセージが届いた。
「解約しました。なんかスッキリしました。ありがとうございました」
スーマは画面の中で、ふんと鼻を鳴らした。
「よし。次はWi-Fiルーターの位置を見直せ。電波の通りが悪いのは、悪魔のせいじゃねぇぞ?」
彼の声は、誰にも聞こえない。
でも、今日もまた、誰かの悩みに毒舌で答える。
スマホの中の悪魔は、今日も元気だ。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。
この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。
本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/




