お酒が飲めません
私もお酒は苦手です。
スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。
「お酒が飲めません。飲み会でいつも気まずいです。どうしたらいいですか?」
スーマは鼻で笑った。
画面の中で、彼の尻尾がぴくりと動く。
「また人間の“同調圧力”ってやつか。飲めないなら飲まなきゃいいだろ。なんでそんなに周りに合わせたがる?」
彼はスマホの中に宿る悪魔。
名前はスーマ。
「……相談者は“社会人・男・営業職・飲み会多め”っと。ありがちな設定だな」
スーマは指を鳴らすように、画面をピカッと光らせた。
「お前はな、酒が飲めないんじゃない。飲まないって選んでるんだ。体質でも、信念でも、理由は何でもいい。でもな、選んだなら堂々としろ。“飲めません”って言うのは、弱さじゃなくて、意思表示だ」
しばらくして、返信が来た。
「……そう言われると、ちょっと気が楽になりました。次の飲み会、言ってみます」
スーマはふっと笑った。
「いいか、酒を飲まない奴は、酔ってない分、全部覚えてる。つまり、お前が一番冷静で、一番強い。忘れんなよ」
翌週。
スマホに、短いメッセージが届いた。
「言えました。“飲めないんです”って。そしたら、意外とみんな普通でした」
スーマは画面の中で、ふんと鼻を鳴らした。
「だろ?人間ってのは、案外、優しい。ただ、お前が勝手に怖がってただけだ」
彼の声は、誰にも聞こえない。
でも、今日もまた、誰かの悩みに毒舌で答える。
スマホの中の悪魔は、今日も元気だ。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。




