やる気?そんなもん、どこに売ってんだよ
やる気スイッチ欲しいな!
スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。
「最近、まったくやる気が起きません。何もしたくないし、何も楽しくないです。どうしたらいいですか?」
スーマは画面の中で、盛大に寝転んだ(演出)。
「またかよ。人間ってのは、“やる気”っていう幻を追いかけて、勝手に疲れて、勝手に落ち込む。その“やる気”って、どこに存在してんだ?冷蔵庫か?洗濯機か?それとも、Amazonで売ってんのか?」
彼はスマホに宿る悪魔。
名前はスーマ。
「……で、相談者は“会社員・男・仕事も趣味も手につかない・休日は寝て終わる”っと。なるほど、“生きてるけど動いてない”タイプだな」
スーマは画面をピカッと光らせた。
「まず言っとく。“やる気”ってのは、“行動の後に出る副産物”だ。待ってても来ねぇ。呼んでも来ねぇ。“やる気が出たらやる”じゃなくて、“やったら出る”が正解だ。つまり、お前は“やる気待ち”してる間に、人生のバッテリー切らしてるだけだ」
しばらくして、返信が来た。
「……でも、何を始めたらいいかも分からなくて」
スーマは鼻で笑った。
「何でもいい。歯を磨け。部屋を片付けろ。靴を磨け。“意味のない行動”が、“意味のある気分”を呼び込む。やる気ってのは、“脳のエンジン”だ。まずはキーを回せ。エンジンかかってから、目的地を決めろ。今のお前は、“地図だけ見てガソリン入れてない”状態だ」
翌日。
スマホに、短いメッセージが届いた。
「部屋を片付けてみました。少しだけ気分が変わった気がします。ありがとうございました」
スーマは画面の中で、ふんと鼻を鳴らした。
「よし、ひとり始動完了。次は、“やる気”じゃなくて、“やる習慣”を育てろ。やる気は気分屋だが、習慣は裏切らねぇ」
彼の声は、誰にも聞こえない。
でも、今日もまた、誰かの悩みに毒舌で答える。
スマホの中の悪魔は、今日も元気だ。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。




