推しが燃えてます。心がしんでます
押しがいるってことは尊いのです。
スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。
「推しが炎上しました。SNSが地獄みたいで、見てるだけでつらいです。どうしたらいいですか?」
スーマは画面の中で、盛大に火を吹いた(演出)。
「またかよ。人間ってのは、誰かを神に祭り上げたと思ったら、次の瞬間には火あぶりにしてる。
推しってのは、“偶像”じゃなくて、“消耗品”か?」
彼はスマホに宿る悪魔。
名前はスーマ。
「……で、相談者は“大学生・女・推しは俳優・SNSで過去の発言が掘り返されて炎上中”っと。なるほど、“推しの墓守”になりかけてるな」
スーマは画面をピカッと光らせた。
「まず言っとく。炎上ってのは、“ネットの火事”だ。火元は“正義感”と“暇人”と“過去のスクショ”。そこに“拡散”っていうガソリンがぶちまけられて、あっという間に大炎上。
お前ができることは、“消火”じゃなくて、“避難”だ。SNSを閉じろ。推しを守る前に、自分の心を守れ」
しばらくして、返信が来た。
「……でも、推しを見捨てるみたいで、離れるのが怖いです」
スーマは鼻で笑った。
「見捨てる?違うな。“燃えてる家”に突っ込むのは、ただのバカだ。推しが本物なら、炎上くらいで消えねぇ。むしろ、燃えたあとに“何を語るか”で、本当の価値が見える。
お前は“信者”じゃなくて“ファン”だろ?なら、“信じる”より、“見守る”を選べ」
翌日。
スマホに、短いメッセージが届いた。
「SNS、少し距離を置いてみました。推しの言葉を待ってみようと思います。ありがとうございました」
スーマは画面の中で、ふんと鼻を鳴らした。
「よし、ひとり冷静化完了。推しが燃えても、お前まで燃えるな。ファンってのは、“炎の中でも冷静でいられる奴”のことだ」
彼の声は、誰にも聞こえない。
でも、今日もまた、誰かの悩みに毒舌で答える。
スマホの中の悪魔は、今日も元気だ。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。




