ガソリン高すぎて、車捨てたいです
ガソリン代何時になったら安くなるのやら…。
スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。
「ガソリンが高すぎます。毎回給油するたびに泣きそうです。なんでこんなに高いんですか?」
スーマは画面の中で、盛大に鼻を鳴らした。
「またかよ。人間ってのは、車に乗るたびに文句言って、でも乗るのはやめねぇ。ガソリン代が高い?そりゃそうだ。“税金の塊”に“円安の呪い”と“世界情勢の爆弾”が乗ってんだからな」
彼はスマホに宿る悪魔。
名前はスーマ。
今はなぜかこのスマホに住み着いている。
「……で、相談者は“地方在住・30代・通勤に車必須・軽自動車ユーザー”っと。なるほど、“逃げられないガソリン地獄”に住んでるわけだ」
スーマは画面をピカッと光らせた。
「まず言っとく。ガソリン価格の半分は税金だ。しかも“税金に税金がかかってる”っていう、悪魔でも笑う二重課税構造。さらに、原油はドル建て。円安になれば、同じ量でも“支払いは倍”になる。そして極めつけは、世界の産油国が“減産”してる。つまり、わざと供給絞って値段吊り上げてる。お前が高いと思うのは、当然。むしろ“よくまだ車乗ってるな”ってレベルだ」
しばらくして、返信が来た。
「……なんか、怒りより笑えてきました。どうすれば少しでも安くできますか?」
スーマはニヤリと笑った。
「まず、無駄な荷物は全部捨てろ。車は“動く倉庫”じゃねぇ。次に、急発進・急ブレーキはやめろ。お前の運転、ガソリン飲み会か?そして、タイヤの空気圧チェックしろ。空気が抜けてると、燃費も抜ける。最後に、ガソリンスタンドの会員アプリ使え。悪魔でも割引は使うぞ」
翌日。
スマホに、短いメッセージが届いた。
「少し燃費が良くなりました。あと、スタンドのアプリで2円引きでした。ありがとうございました」
スーマは画面の中で、ふんと鼻を鳴らした。
「2円引き?それで喜べるなら、もう立派な“節約戦士”だな。次は、EVか自転車に乗り換える覚悟を決めろ。ガソリン地獄は、まだ続くぞ」
彼の声は、誰にも聞こえない。
でも、今日もまた、誰かの悩みに毒舌で答える。
スマホの中の悪魔は、今日も元気だ。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。
この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。
本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/




