みんなと同じじゃないと不安です
それは同調圧力に当たりませんか?
スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。
「周りに合わせないと浮く気がして、自分の意見が言えません。個性って、そんなに大事なんですか?」
スーマは画面の中で、盛大に鼻を鳴らした。
「また“みんな病”かよ。人間ってのは、群れないと死ぬ生き物か?だったら、もうスマホじゃなくて首輪でもつけとけ」
彼はスマホに宿る悪魔。
名前はスーマ。
「……で、相談者は“高校生・男・クラスで浮きたくない・でも本当は違う意見を持ってる”っと。なるほど、“自分”を殺して“みんな”に飼われたいタイプだな」
スーマは画面をピカッと光らせた。
「集団心理ってのは、“思考停止の言い訳”だ。みんなが右向いたら右向く?それ、思考じゃなくて反射だ。個性ってのは、“自分で考える力”だ。それを捨ててまで群れたいなら、もう人間やめて、ハトにでも転生しろ」
しばらくして、返信が来た。
「……ちょっと言いすぎじゃないですか。でも、確かに自分で考えてなかったかも」
スーマはニヤリと笑った。
「言いすぎ?甘いな。お前が“みんな”に合わせてる間に、“本物の個性”持った奴らは、世界を変えてる。群れの中で安心してるだけじゃ、何も生まれねぇ。“浮く”ってのは、“目立つ”ってことだ。目立つのが怖いなら、一生、影の中で生きてろ」
翌日。
スマホに、短いメッセージが届いた。
「自分の意見、言ってみました。ちょっと緊張したけど、意外と受け入れてもらえました。ありがとうございました」
スーマは画面の中で、ふんと鼻を鳴らした。
「ほらな。群れの中でも吠えられる奴は、群れを動かせる。次は、“みんな”じゃなくて、“お前”が先に動け」
彼の声は、誰にも聞こえない。
でも、今日もまた、誰かの悩みに毒舌で答える。
スマホの中の悪魔は、今日も元気だ。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。




