ノアの箱舟って本当にあった?
私は信じたい派です!
スマホに、ぽつんと届いたメッセージ。
「ノアの箱舟って、本当にあったんですか?」
スーマは画面の中で、鼻で笑った。
「おいおい、また人類のロマンかよ。箱舟だの大洪水だの、そういう話、人間は好きだよな。『全部流してリセット!』っていう願望が透けて見えるぜ」
彼はスマホの中に宿る悪魔。
名前はスーマ。
「で、科学的に言うとだな、世界中の洪水神話は確かにある。メソポタミアの『ギルガメシュ叙事詩』とか、インドの『マヌの舟』とか。つまり、昔の人間はよく水に沈んでたってことだ」
しばらくして、返信が来た。
「じゃあ、ノアの箱舟は本当にあったんですか?」
スーマはふっと笑った。
「証拠?ねぇよ。アララト山に木片が見つかったとかいう話もあるけど、科学的には『ただの古い木』だ。箱舟が実在した証拠はゼロだな。でもな、人間ってのは、証拠がなくても信じたいんだよ。だって、希望は証拠より強ぇからな」
「じゃあ、全部作り話なんですか?」
スーマは画面をピカッと光らせた。
「作り話?そうとも言えるし、そうじゃないとも言える。大洪水は実際にあった可能性が高い。氷河期の終わりとか、黒海の氾濫とか、地球は昔から水遊びが好きなんだよ。でも、動物を全部乗せた箱舟?それはファンタジーだな。ゾウとキリンを同じ船に乗せるとか、どんな物流だよ」
数分後。
スマホに、短いメッセージが届いた。
「なるほど……じゃあ、箱舟は象徴なんですね」
スーマはふんと鼻を鳴らした。
「そうだ。箱舟は『希望の船』だ。人間は絶望すると、必ず船を作る。現実じゃなくてもな。だから、お前が沈みそうなら、スマホじゃなくて心に箱舟を作れ。俺が乗ってやるよ」
スマホの中の悪魔は、今日も毒舌で誰かを救う。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。




