消えた21万トンのお米はどこへ行ったの?
皆様、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
本年一発目で御座います。
スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。
「去年、ニュースで『お米が消えた』って聞いたんですけど、21万トンってどこに行ったんですか?」
スーマは画面の中で、鼻で笑った。
「……おいおい、人間ってのは、食い物が消えると陰謀を探し始めるよな。21万トン? 宇宙人が食ったわけじゃねぇ。現実はもっと退屈で、もっと残酷だ」
彼はスマホの中に宿る悪魔。
名前はスーマ。
「答えはこうだ。去年は猛暑で米が不作だった。粒が小さい、品質が落ちる、収穫量が減る。さらに、外食や輸出の需要が増えた。結果? 市場から米が消えたように見えた。でもな、消えたんじゃねぇ。倉庫にある。政府の備蓄米もある。流通が遅れただけだ。つまり、米は『消えた』んじゃなく、『動かなかった』んだよ」
しばらくして、返信が来た。
「……じゃあ、パニックになる必要なかったんですか?」
スーマはニヤリと笑った。
「なかったさ。でも人間は『無い』って聞くと買い占める。結果、さらに無くなる。自分で火をつけて炎上する。SNSも同じだろ?」
返信は、少し間を置いて届いた。
「……なんか、納得しました」
スーマはふっと笑った。
「おう、納得しろ。米は消えねぇ。消えるのは人間の冷静さだ」
彼の声は、誰にも聞こえない。
でも、今日もまた、誰かの悩みに毒舌で答える。
スマホの中の悪魔は、今日も元気だ。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。
この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。
本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/




