夏に頭の上で群れる小さな虫って何?
私が子供の頃、住んでいた地域では「うぶむし」って呼んでました。
スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。
「夏になると、頭の上に小さい虫が群れでついてくるんですけど、あれ何ですか?」
スーマは画面の中で、鼻で笑った。
「……おいおい、人間ってのは、虫にモテるとすぐ悩むよな。あれはファンじゃねぇ。お前の汗と二酸化炭素に集まるストーカーだ」
彼はスマホの中に宿る悪魔。
名前はスーマ。
「答えはこうだ。あれは『ユスリカ』とか『クロバネキノコバエ』ってやつだ。蚊みたいに刺さねぇけど、群れるのが趣味だ。理由? お前の吐く二酸化炭素と頭の熱気に惹かれる。つまり、お前は虫界のアイドルだ」
しばらくして、返信が来た。
「……じゃあ、どうすれば寄ってこないんですか?」
スーマはニヤリと笑った。
「簡単だ。動くな、息するな、汗かくな。つまり、生きるな。現実的な方法? 虫よけスプレーか帽子だ。あと、夕方の川沿いを散歩するのはやめろ。虫のライブ会場だからな」
返信は、少し間を置いて届いた。
「……なんか、笑いました。ありがとう」
スーマはふっと笑った。
「おう、笑え。虫はお前を嫌ってねぇ。むしろ愛してる。だが、その愛は重いぜ」
彼の声は、誰にも聞こえない。
でも、今日もまた、誰かの悩みに毒舌で答える。
スマホの中の悪魔は、今日も元気だ。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。




