どうして鏡は左右逆に映るの?
難しく考えすぎているだけかも?
スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。
「鏡って、なんで左右逆に映るんですか? 不思議です」
スーマは画面の中で、鼻で笑った。
「……おいおい、人間ってのは、鏡に映った自分を見て『裏切られた』って思うんだな。左右逆? いいや、鏡はそんな魔法使ってねぇよ」
彼はスマホの中に宿る悪魔。
名前はスーマ。
「相談者は“20代・女・メイク中にふと疑問・鏡ってなんでこうなるの?”っと。なるほど、哲学と物理の境界線で迷子だな」
スーマは指を鳴らすように、画面をピカッと光らせた。
「答えはこうだ。鏡は左右を逆にしてるんじゃねぇ。前後を逆にしてるんだ。お前が鏡に向かって『右手』を上げると、鏡の中の自分も『右手』を上げてる。左右は変わってねぇ変わってるのは、奥行きだ。お前の前が、鏡の奥になってる。それを脳が『左右逆』って勘違いしてるだけだ」
しばらくして、返信が来た。
「……じゃあ、鏡は何も悪くないんですね?」
スーマはニヤリと笑った。
「悪くねぇ。悪いのはお前の脳だ。人間は『自分を正面から見たことがない』から混乱するんだよ。鏡は真実を映してるだけだ。嘘をついてるのは、お前の感覚だ」
返信は、少し間を置いて届いた。
「……なんか、スッキリしました」
スーマはふっと笑った。
「おう、スッキリしたならいい。次は『スマホのインカメラはなぜ盛れるのか』って聞いてみろ。答えはもっと残酷だ」
彼の声は、誰にも聞こえない。
でも、今日もまた、誰かの悩みに毒舌で答える。
スマホの中の悪魔は、今日も元気だ。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。
この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。
本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/




